相談事例

架空請求

相談内容(2014年10月・青少年女子)

有料動画サイトに間違って入ってしまい、再生ボタンを慌てて2回押したことで18歳以上を選んでしまった。有料だと分かり退会手続きのメールをして電話もかけた。電話では登録を消してくれると言われた。18歳以下だと分かるものを要求され身分証の画像を何も隠さず送ってしまった。この場合、お金は払わなくても良いのか。今後の対策はどのようにすれば良いか。

アドバイス

年齢確認だけでは有料契約に同意したことにはならない。間違えてボタンを押して有料だと分かった時点で戻ろうとしたのに登録が完了してしまったのであれば、意に反して契約の申し込みをさせようとする行為であり、無効だと言える。お金を払う必要はなく、退会等の必要もない。このまま無視をしていれば良い。相手にはメールアドレス、電話番号、身分証の記載内容が伝わっている。迷惑メール対策と電話の着信拒否で対応する。身分証に住所・氏名が記載されていたら、郵便物が届く可能性もあるが、お金の請求が届いたとしても無視をする。身分証を提示してしまったことは保護者にも伝え、不審な郵便物が届く可能性や、その場合の対処法を話し合っておくと良い。

ポイント

間違えて有料サイトを開いてしまったとしても、正しく対応することでトラブルに発展するのを防ぐことができるが、青少年は予想外の出来事に動揺してしまうことも多いだろう。焦ってメールを送ったり、電話をかけてしまい、相手に言われるままに個人情報を伝えてしまう。しかし、このようにして情報を入手することが架空請求業者の狙いである。連絡先を伝えてしまった後も、さらなるトラブルを防ぐためには、慌てずに、無視に徹することが大事である。

相談内容(2014年9月・青少年女子)

調べ物をしていたらアダルトサイトに入ってしまい、焦って何回も画面を連打して戻ろうとしたが、有料会員登録され、高額請求をされてしまった。携帯電話料金の支払いの時に一緒に請求されるのだろうか。パニックになってしまいとても不安。親にも相談できず、どうすれば良いのか。

アドバイス

サイトにはどのような表示があり、どのような操作をして登録完了となったのか良く思い出してほしい。画面に書いてあったことが思い出せないようであれば、履歴を辿って確認してみるのも良い。戻ろうとしたのに会員登録されたのであれば、法律では意に反して契約の申し込みをさせようとする行為は禁止されており、契約は無効だと言える。契約が成立していないと考えられるならば、お金を払う必要はなく、退会等の必要もない。このまま無視をしていれば良い。携帯電話の料金と一緒にお金を払うなどの同意をしていなければ、勝手に料金を引き落とされることもない。

ポイント

インターネットに簡単にアクセスできるようになり、低年齢でのトラブルも目立つようになった。その代表的な例が架空請求トラブルである。アダルトサイトなど、成人を対象にしたサイトに誤って入場してしまったときには、焦らずに落ち着いて操作をすることが大事である。危ないと感じたら、画面の表示をよく見てブラウザを閉じる、「戻る」を選ぶなど、冷静に行動することでトラブルを未然に防ぐことができるだろう。意図せずお金を請求されてしまったときには、一人だけで判断せず、迷わず保護者や身近な大人に相談できることが望ましい。

相談内容(2014年8月・青少年男子)

アダルトサイトを見ていたら会員登録され、「誤作動登録の方」にメールを送信したが、数日後、電話連絡をしないと退会できないというメールが届いた。お金を払わなければ、訪問、強制執行すると書いてあり、退会するには未払い分を払うようにと書いてある。悪質ユーザーと見なすとも書かれていたが、お金がないので退会することができない。

アドバイス

アクセスしたサイトにどのような表示があり、どのような操作をして登録完了となったかがポイントである。有料と書かれていなかった、有料の申し込み内容を確認する画面がなかった、あるいは確認画面があったとしても訂正ができる措置がなかったのであれば、契約は成立していないと言える。有料契約の意思がなく、画面上で同意をしていないのであれば、有料の契約は成立していないと言えるだろう。お金を払う必要はなく、退会する必要もない。このまま無視をしていれば良い。相手にメールを送っていることから、自ら連絡先を伝えたことになり、今後も請求メールが届いたり、迷惑メールが届くことが考えられる。迷惑メールの設定をし、必要のないメールは受信しないようにしてほしい。

ポイント

有料サイトに意図せず間違えて登録し、お金を請求されてしまったトラブルでは、「誤作動」、「誤操作」といった言葉に誘導され、相手にメールを送ってしまうケースが多く見られる。これも利用者から連絡先を収集する手段だと考えて、自ら連絡する行為は避けるべきである。架空請求の手口が巧妙になっているが、支払いの義務があるのか、有料契約が本当に成立しているのかを冷静に考えることがトラブルを深刻化させないためには重要である。青少年は判断に迷ったら、保護者や身近な大人、相談窓口に相談してほしい。

相談内容(2014年7月・保護者・青少年男子)

子供が親のスマートフォンでインターネットを閲覧し、有料サイトをクリックしたらしく高額請求された。子供から有料サイトの画面を見せられ、焦って登録解除の電話をかけてしまった。電話ではお金を支払うように要求され、振込み方法をメールで連絡すると言われ、自分の名前とメールアドレスを伝えた。その後、インターネットでこのことをいろいろ調べているうちに、「絶対に電話をかけてはいけない、電話をかけると個人情報を知られてしまう」とわかり、不安になってしまった。

アドバイス

電話番号やメールアドレスを知られたとしても、電話会社が契約者の情報を勝手に第三者に教えることはないので、住所までは知られていない。電話番号やアドレスを変更すれば、相手からの連絡手段はなくなり、変更後の情報を調べることは難しい。仮に今後も請求が続いたとしても、有料の契約が成立していないのであれば、請求に応じる必要はないので、毅然として無視していれば良いだろう。迷惑メールブロック対策、電話の着信拒否、フィルタリングの利用によっても防げることである。

ポイント

架空請求トラブルに対しては、相手からの支払い請求には一切応じないこと、相手に連絡をしないことが基本的な対応だが、大人でも突然のことに焦って連絡をしてしまい心配事を増やしてしまうケースが少なくない。架空請求で良く見られるアダルトサイトからの誘導では、年齢を偽り先に進んでしまったことが要因であることが多いので、ルールを守って利用することなど、夏休みなど長期の休暇期間中は、親子のコミュニケーションをとる良い機会でもあるので、携帯電話やインターネットとの安全な付き合い方について話し合えると良いだろう。

相談内容(2014年6月・青少年女子)

興味本位でアダルトサイトに入り、18歳以上を選んでしまった。後から有料だと分かり退会手続きのメールをした。しかし、料金を払っていなかったので退会できず、誤操作のための問い合わせ先に電話をした。電話では、違法行為をしているため再度電話をしなければ、警察に連絡すると言われた。電話しようと思うが大丈夫だろうか。サイトには架空請求ではないことや、滞納すると請求書を送るなどが書いてある。登録したときにスマートフォンの端末情報も知られてしまった。

アドバイス

料金がかかることを後から知ったのであれば、電子消費者契約法に定められている錯誤(さくご)による契約の無効を主張することができる可能性があり、また、誤操作による訂正のお願いをしたのに、「料金を払っていなかったので退会できない」という状況ならば、特定商取引に関する法律の「消費者が申込み内容を容易に確認、かつ、訂正できるような措置がなければいけない」に反する行為である可能性がある。つまり、契約の無効を主張することができる。「架空請求ではない」、「滞納すると請求書を送る」などの言葉は、利用者を不安にさせてお金を支払うように仕向けている可能性がある。携帯の端末情報には個人情報は一切含まれていないことから、これ以上、個人情報を知られて不安にならないために、相手に連絡をしてはいけない。

ポイント

有料サイトで意図せずお金を請求されてしまう架空請求トラブルは、年間を通じてもっとも多い相談である。青少年の場合は、年齢を偽った点は反省してほしいが、このようなトラブルに出会ったとしても、慌てないことが肝心である。スマートフォンの端末情報(ブラウザの種類やIPアドレス)がサイトに伝わったとしても、これらの情報から個人を特定することはできない。お金を支払わせるための手段と考えて、サイトに一切関わらないことがトラブルを大きくしない対処法である。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。