相談事例

料金関係

相談内容(2016年12月・保護者・青少年女子)

音楽プレーヤーを利用し、親の知らないうちに多数の音楽ダウンロードを行い高額な料金が発生していることが分かった。音楽ダウンロードに使ったIDは、保護者が数年前に取得し、クレジットカード情報を登録する必要があり入力したものだった。無料ゲームのゲーム内課金は出来ないように設定していたが、保護者がプリペイドカードに入金してアプリのスタンプを購入したときの手順やパスワードを娘が隣で見ていて、覚えていたらしい。娘が勝手にプリペイドカードに入金したようだった。

アドバイス

最寄の消費者生活センターへの相談を勧める。音楽の提供元、クレジットカード会社との交渉次第だが、未成年者が法定代理人である親の同意がないままに音楽ダウンロードやゲーム課金等の利用契約を行った場合、民法の観点から原則として契約を取り消すことができる可能性はあるだろう。ただし保護者のカード管理責任なども判断され、必ず契約を取り消せるわけではない。今後は同様のトラブルを起こさないように、親子で使い方のルールを話し合ってほしい。

ポイント

保護者名義のクレジットカードを知らないうちに子供が使って課金してしまったトラブルである。音楽プレーヤーであっても、本格的にインターネットに接続でき、有料の音楽をダウンロードすれば料金が発生することを保護者も認識しておく必要がある。子供がインターネット上でどのようなサービスを利用しているのか、それが有料なのか無料なのか、有料ならば課金が発生する時点はどこなのか等を、保護者は子供と一緒に確認し、管理する必要があるだろう。

相談内容(2016年11月・保護者・青少年男子)

クレジットカード会社から、「最近、ゲームのアイテムをたくさん購入したか」との問い合わせがあった。詳しく内容を聞くと、クレジットカードでゲーム会社から高額な料金請求があるとのこと。利用明細を調べると、確かに購入履歴が残っていた。息子が使っているスマートフォンも確認し、高額なアイテムを何回も購入した形跡があった。

アドバイス

未成年者が法定代理人である親の同意を得ていなければ、原則として、契約を取り消すことができる。しかし、クレジットカードの管理に保護者としての落ち度がなかったか、子供が自分の年齢を偽って購入したかどうか等、いろいろな状況を判断する必要があり、支払わなければいけない場合もある。具体的な対応を支援していただくために、消費生活センターに相談することを勧める。

ポイント

この事例ではクレジットカード会社からの問い合わせが発覚のきっかけになったが、一般的に高額な請求がきた場合には、それがゲーム利用料金なのか、通信料なのかを明確にするために利用明細を取り寄せて確認する必要があるだろう。保護者自身も日常生活でクレジットカードの管理を見直したり、子供が利用したゲームの内容を、子供と一緒に再確認する必要があるだろう。あわせてゲーム利用に関するルールで、何が守られているのか、何が守られていないのかをチェックしてから、ルールの再設定を行うことで再発防止を考えてほしい。

相談内容(2016年10月・保護者・青少年男子)

携帯電話会社から、利用料金が高額になっているとのお知らせがあり、子供がアプリのゲームで課金をしていたことが分かった。子供には親のスマートフォンを貸し、ゲームで遊ぶのを許していたが、無料ゲームだと思っていた。アプリの公式マーケットから届くお知らせメールはブロックしていたので課金に気が付かなかった。お金は支払わなくてはいけないのか。

アドバイス

法的には法定代理人である保護者が同意しない未成年者の契約は取り消しできる可能性があるが、実際に取り消せるかどうかはケースバイケースである。たとえば、課金のためにはパスワード入力が求められるので、パスワード管理がどうだったか、ゲームに年齢制限がなかったか、お子さんは自分自身の年齢でゲームの利用登録をしていたのかなどにより判断される。お子さんに何というゲームでどのような遊び方をしていたのか、課金はどのようにして行ったのかなどの話を聞くことを勧める。取り消しについては、消費生活センターが支援してくださるので、近くのセンターへ相談すると良いだろう。

ポイント

保護者が同意せずに未成年者によって行われた契約は取り消しの対象になり得るが、すべてのケースが救済されるとは限らない。子供の利用であっても、支払い義務が発生する可能性があることを保護者はしっかり認識し、課金に対する知識とルールを親子で話し合っておくことが大事だろう。また、保護者のスマートフォンであっても、この事例のように日頃から子供に貸して使わせている場合は、子供の年齢にふさわしいフィルタリングや機能制限を施しておくことが望ましい。

相談内容(2016年9月・保護者・青少年女子)

携帯電話会社の請求書が高額だったので利用明細を調べてもらったところ、日付と利用金額の明細書が出てきた。娘に明細書を見せたところ、スマートフォンで遊んだゲーム内で課金をしたようだ。ゲームでお金を使った記憶はあったが、正確に何にいくら使ったのかは覚えていないようだった。クレジットカード決済により、すでに一部は引き落とされてしまった。

アドバイス

利用明細に書かれた日付と金額をもとに、改めて娘さんと一緒に、どのゲームにいくら使ったのかを時系列で思い出し、記録してほしい。ゲーム内課金があることを娘さん自身がしっかりと意識する必要があるだろう。未成年であることから、法定代理人である親の同意がない場合、民法では原則として未成年者の契約を取り消すことができる。ただし保護者によるクレジットカードの管理状況にもよるので、消費生活センターへ相談することを勧める。

ポイント

保護者の知らない間に子供が決済を行ってしまった事例である。オンラインゲームで遊ぶ時には、何が無料で何が有料かを子供自身が意識する必要があるだろう。スマートフォンの設定によっては、一度クレジットカード情報を入力して決済を行うと、その後は決済ごとに入力をしなくても購入できてしまうことも考えられる。その危険性を保護者が理解し、子供とコミュニケーションを取りながらゲームの利用情報を把握しておく努力が必要だろう。

相談内容(2016年8月・保護者・青少年女子)

子供に保護者のスマートフォンをたびたび貸して、無料ゲームで遊ぶことを許可していた。課金をしない約束をしており、子供を信用していたが、購入を知らせるメールが何通も届き、高額の課金をしていることがわかった。課金のためのIDとパスワードを子供が覚えていたらしく、我慢できずに勝手に入力してしまったようだ。このような場合は支払わないといけないのだろうか。

アドバイス

民法により、保護者が同意せずに未成年者によって行われた契約は取り消しの対象になり得るが、オンラインゲームの場合はそれを証明するのが難しく、適用されないケースもある。保護者のスマートフォンを使っていたのであれば、未成年者であっても親の年齢で利用したと判断される可能性もあり得るだろう。利用してしまった背景はケースバイケースなので、消費生活センターに相談することを勧める。

ポイント

無料のゲームには、ゲームを続けるうちに次第に無料の範囲を超えて有料アイテムが欲しくなるような誘惑が仕掛けられているものも多い。一度課金をしてしまうと、大人であっても自制か効かずに使い過ぎに陥りやすいので注意が必要である。子供がスマートフォンでゲームを利用する場合は、親子でのルール決めに加え、機械的な対策として、子供が利用できる機能に制限を設ける 「ペアレンタルコントロール」の設定をし、パスワードの管理も徹底しておくことが最低限必要だろう。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。