相談事例

ネットいじめ

相談内容(2022年9月・青少年男子)

匿名のチャットグループで他人を傷つける発言をした人がいたので批判をした。すると自分にも酷いことを言ってきたためグループを退出した。相手は面識のない人たちばかりだが、このようなことがあって気分が良くない。自分も悪いことを言ってしまったが、相手のほうが悪いと思う。やり取りの内容はスクリーンショットに保存している。

アドバイス

言い争いを続けずにグループを退出したのは適切な対応である。インターネット上の相手の考え方や発言を変えさせることは難しく、リアルに会う相手ではないことから、このまま相手と距離をとることを検討すると良いだろう。ルールやマナー、利用規約に反する発言を運営側に通報する方法もあるので、サイトの利用規約を確認することを勧める。

ポイント

匿名で参加できるチャットグループには、同じ趣味や関心事を持つ人が集まり、面識がなくても共通の話題を楽しめる場所になっている。気軽に人とコミュニケーションがとれる反面、匿名であるために発言も無責任になりがちで、ルールやマナーを無視した行為も見られる。率直な意見を言ったのに理解されなかったり、悪意を持って受け止められてしまうことも残念ながらある。参加して嫌な気持ちになったら、自分とは合わなかったと考えてその場所を離れることが安全な対処である。

相談内容(2022年7月・青少年男子)

SNSでフォローされたので、メッセージを送るとケンカ腰の返事が届き、そこから言い合いになった。相手からは家を特定するなどの脅しのメッセージが届きとても怖い。同級生の悪戯かもしれないがどうしたら良いか。

アドバイス

実生活で不安を感じることがあれば、起きたことや不安に思っていることを保護者の方に正直に話をしてほしい。また、挑発するようなメッセージは、インターネット上ではエスカレートしやすいので、いつもより慎重に言葉を選ぶ必要がある。今後同様のやり取りをする際は、送っても問題ないメッセージなのかを落ち着いて読み直してほしい。

ポイント

インターネットでのコミュニケーションのコツは、普段よりも丁寧に接すること。自分に非がなくても丁寧な対応をすることでトラブルに発展することを防ぐこともできるだろう。いつでも冷静な対応をすることが重要である。やられたらやり返す、ということをしていれば、お互い傷つくのは目に見えており、悪い連鎖の始まりである。さらに、知らない人からメッセージが届いてもブロックをしたり、相手にしないといった対応をすることも安全に使うポイントである。

相談内容(2022年5月・青少年女子)

SNSを見ていた時に、ある人の投稿にとても傷ついたので、相手の投稿を引用して批判する発言をしてしまった。その投稿が相手にも見られ、開示請求をすると言われた。罪に問われるのか。今は軽率な発言をしてしまいとても反省している。アカウントも削除した。

アドバイス

名誉毀損や誹謗中傷に対して実際に開示請求をされた例はあるため、今後はSNSでの行動には気をつけてほしい。相手がこれからどのように行動するかを予測するのは難しいことから、相手との関係がインターネット上だけであり面識がないなら、このまま様子を見ることを勧める。アカウントの削除は、これ以上トラブルを大きくしないための対処法の1つである。今後何かあったらそのときに対処を考えることになるが、不安が募り過ぎると実生活にも影響してしまうので、抱えている気持ちを保護者にもお話ししてほしい。

ポイント

誰でも閲覧できるインターネット上で、人を傷つける投稿をするのはルールやマナーに反する行為だが、そのような投稿を見かけた時にも、自分とは意見が異なると考えて冷静に受け流すことも、インターネットを安全に使うためには必要になる。身近な相手ならば、話し合いで価値観の違いを埋めることができるが、面識のない相手の本心や発言の意図を確かめるのは難しく、自分の考えを相手に正確に伝えることも難しい。このようなインターネットの特性を理解しつつ、傷ついた気持ちは我慢をせずに、現実世界の友達や家族に意見を聞いてみるなどして気持ちを切り替えることも大切にしてほしい。

相談内容(2021年12月・保護者・青少年男子)

子供が動画サイトに悪質なコメントをしてしまった。相手から電話があり謝罪をしたが不安である。どうしたら良いか。

アドバイス

相手との話し合いの状況に応じて、とるべき対応も変わってくるが、書いてしまったコメントは確実に消す必要があるだろう。自身で消すことができるのか、あるいは管理者への削除依頼が必要なのかをよく確認しながら対応してほしい。インターネット上であっても誰かを傷つけるような行為はルールやマナーに反する行為となることを理解し、同じ失敗が繰り返されないように、インターネットのルールとマナー、正しい使い方を家庭で話し合えると良い。

ポイント

動画サイト、ブログ、SNSなどに設けられているコメント欄には、意見や感想を書くことができるが、他人を傷つけるための場所ではないことを理解してほしい。文字によって相手に与えるダメージは、自分が思う以上に大きいこともある。不適切な書き込みをした結果、法的責任を問われることもあり得る。加害者にならないためにもルールとマナーを守って行動することが大事である。インターネット上は決して匿名ではないことも忘れてはならない。

相談内容(2021年11月・青少年女子)

SNSに友人との写真を載せたところ、SNSに設置している匿名の質問箱アプリに悪口が書き込まれるようになり困っている。

アドバイス

悪口や嫌がらせのような書き込みはアプリの利用規約違反にあたる可能性があり、その場合は運営会社へ通報する方法がある。また、相手をブロックすることも検討すると良い。もしも悪口の背景に友達関係のトラブルなどがあり、学校生活でも嫌なことが起きているようであれば、通報やブロックだけで解決するのは難しいため、現実の世界での解決に向けて、保護者や学校の先生にも相談してほしい。

ポイント

SNS上の気になる人に質問をしたり、自分への質問を受け付けるアプリを総称して「質問箱」といい、匿名で質問ができるものも多い。匿名性が高いと、本来の使い方ではなく、この事例のように誰かを攻撃するような悪質な使い方をされることもある。言葉の攻撃は許されることではないが、相手を特定したり相手の行為を止めることも簡単ではないため、使い始める前にこのようなリスクがあることもよく理解しておく必要があるだろう。質問箱に限らず、トラブルにあわないためには自分自身で守る姿勢も大切である。SNSは誰でも閲覧できるような設定は避け、個人が特定されるような情報を投稿しないなど安全な利用方法を心掛けてほしい。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。