相談事例

ネットいじめ

相談内容(2015年2月・保護者・青少年男子)

現在は遠くに住む友達とSNSで会話をしていたが、関係がこじれてSNS上で荒らし行為をされた。このため友達をブロックしたが、同じ学校の別の友達が、そのSNSのスクリーンショットを撮って自身のSNSに掲載し、インターネット上の友達に拡散するように指示している。どうすれば良いか。

アドバイス

すでにネット上の対処だけで解決できる問題ではなくなっているので、今はSNSでのメッセージ交換は控えたほうが良い。文字だけのやり取りは難しいので、遠くに住む友達とは電話で話すことを勧める。学校が同じ友達とは、直接会って話しをするべきだろう。その際は、関係がこじれた原因について、相手の意見をまず聞くと良い。そして、その理由が理不尽なものだとしても、相手の気持ちを一旦受け入れる。その上で、自分の気持ちを相手に伝え、画像を消してほしいとお願いする。これを両方の友達にしてほしい。

ポイント

文字だけのやり取りでは、自分の思いが正確に相手に伝わらないことが良くある。それは、お互いの想像力、予測力に欠けている部分があるからかもしれない。相手が見えにくいインターネットの世界だからこそ、この想像したり予想する力が必須である。さらに今回の事例のように、リアルの世界で直接話す機会が持てる相手なら、直接会って問題点を見つけたり、相手への謝罪を述べるのがトラブル解決の一番の近道になる場合もある。

相談内容(2014年6月・保護者・青少年男子)

同じ学校に通う近所の友達が、息子の卒業アルバム写真をSNSに載せている。顔写真は現在とは感じが違うし、名前は書かれていないため気にしなくて良いのかもしれないが、この画像をそのままにしておきたくない。以前、息子はこの生徒のことで先生に相談し、生徒指導が行われたことがあった。写真を載せないでほしいのだが、対応をどうすべきか悩んでいる。

アドバイス

相手の生徒と近所であり、家庭状況もよく分かっているのであれば、相手の保護者に直接相談し、相手に削除してもらうのが一番早い対応である。息子さん自身も削除したいと思っているのかどうかも確認しながら対応すべきだろう。削除を要求することで相手を刺激し、言葉によるいじめ等がエスカレートする可能性もないとは言えない。今後、写真の掲載以外にも、SNSへの書き込みや学校生活内で言葉によるいじめが増すようならば、学校へ相談すべきだろう。息子さんの日常の様子を見守り、話し合い、息子さんがどうしたいのかを聞きながら対応すると良い。

ポイント

写真をインターネット上に載せる場合、基本的なマナーとして相手に承諾を得ることを忘れてはいけない。顔が明確に写った写真を許可なく掲載すれば、肖像権を侵害していると判断されてしまうこともあるため、十分な配慮が必要である。自分の写真を許可なくネットに掲載されてしまった場合は、今回のように、誰が写真を掲載したのか明確ならば、写真を載せないでほしいと相手に率直に伝えて問題解決に至る場合も多い。画像掲載には十分な配慮、判断が必要である。

相談内容(2014年4月・青少年男子)

SNS上に自分の顔写真が載せられた。以前に出かけたイベント会場で、勝手に写真を撮られて載せられた。載せている人は何人もいて、SNS上で画像検索するとたくさん出てくる。消してほしいと相手にメッセージを送ったが消されず、相手からブロックされてしまった。この画像を非公開で載せている人もいると思うし、SNSからコピーしてSNS外に公開している人もいると思う。どうしたら良いか。

アドバイス

写真が本人に無断で掲載されているならば、肖像権侵害、プライバシー権侵害にあたる可能性があり、運営会社に違反報告をして削除依頼をする方法がある。証拠として、アップされている場所をデジカメ写真で撮るなどして事前にコピーをとっておくことを勧める。しかし、削除依頼をしても、写真のコピーがどこかに残っていれば、また別の場所に掲載される可能性もゼロではない。相手の行為がエスカレートしないように、このまま無視することも1つの方法である。

ポイント

インターネット上に載せられた画像・写真を取り戻すことは、基本的に不可能だと考えるべきだ。気楽な気持ちで撮った写真が、思わぬ所でトラブルを引き起こす例が増えている。家族であれ、自分以外の人が写っている写真を掲載する時は、どんな画像・写真であっても、そこに写っている人がインターネットに掲載することを承知しているのか、いないのか、最大の注意を払う必要があるだろう。

相談内容(2014年3月・保護者・青少年女子)

娘の同学年の男子グループが、ゲームの掲示板を使い、娘をネタにした猥褻画像や書き込みを行っている。本人たちが娘を追い回し、映像を撮るなどの行為を行い、その処理もどうなっているかわからない。学校に相談したところ、原則、校外のことと対応も曖昧。このような場合にどうしたら良いか、何か良い例がないか。

アドバイス

投稿された場所によって削除依頼の方法が異なるが、投稿した本人が消せる場所であれば、その本人へ削除してほしい旨を伝え消してもらう。それが困難な場合には、投稿された場所の管理人に削除依頼をする。この場合投稿した場所のルールに従った措置がなされる。ただし、投稿されているものを消すことができたとしても、行動を制することをしなければ、消してもまた投稿を繰り返す可能性もあるので、削除依頼を行うとしても慎重に対応する必要がある。同学年の男子複数人ということなので、学校の協力が不可欠だろう。相手との関係性によって、学校への依頼の仕方も変わってくるが、担任の先生が曖昧な態度であるならば、学年主任の先生、指導主任、副校長。または、スクールカウンセラーの方など、校内には相談できる先生は一人だけではないと思うので、もう一度学校へ相談することをお勧めする。

ポイント

学校の友達からインターネット上で写真や動画の投稿という形で中傷行為を受けてしまったという相談が増えており、中傷行為に使われる機器や場所も多様化している。今回のケースのように、本来はゲームを楽しむはずの場所で、他人への中傷行為が行われてしまったのは残念なことである。対処法としては、投稿した本人、または投稿された場所の管理人に削除要請をすることが解決への第一歩である。しかし多くの場合、問題の根本原因は人間関係にあり、今回の事例のように学校の生徒同士の悪ふざけがインターネット上に派生しているケースでは、学校・保護者が連携して、問題解決にあたることが必要だろう。インターネットに接続できる機器が増える中、学校や家庭においての情報モラル教育の重要性を感じた事例である。

相談内容(2014年2月・保護者・青少年男子)

息子の同級生がSNSに息子の写真を無断で投稿した。消してほしいと言ったのだが消えないので、先方の保護者に電話連絡をし、写真は消えた。その後、「(相談者の)名前は消さない」という書き込みがあったので、また保護者へ伝えたのだが消えず、連絡も取れなくなった。プロフィールには学校名が書かれており、我が家の名字は珍しいのでどこの誰かわかってしまうので困る。どうすれば良いのか。

アドバイス

投稿者本人に消してもらうのが一番良いのだが、消してもらえない場合、運営会社へ違反報告をすることもできる。ただし、運営会社の基準に従って削除の判断がされるので、必ずしも消えるものとは限らないことを伝え、悪いのは書き込みをした側であるが、一度写真を消した後に悪口を書かれ、加えて消さないという書き込みもあることから、運営会社側で削除ができたとしても、相手の怒りを助長する行為になりかねないので慎重に検討した方が良い。インターネット上の問題とはいえ、人間がやっていることなので、コミュニケーションをうまく取っていかないといたちごっことなり解決は難しいだろう。

ポイント

実生活でのトラブルがインターネットにも派生した場合、インターネット上の書き込みを消しても、実生活のトラブルが収まるわけではなく、トラブルが広がっていく恐れもある。非常識な行動は慎んでほしいことを相手に伝えなければならないが、直接話し、コミュニケーションを取りながら解決するのが望ましい。相手に非があったとしても、感情的にならず、常に常識的な態度で接することも大事だ。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。