相談事例

ネットいじめ

相談内容(2019年5月・青少年女子)

クラスメートと部活のメンバーが、自分の悪口を言うSNSグループを作っている。友達が招待されて入り、教えてくれてわかった。先生には言わないでほしいと言われたので、先生には相談できない。学校生活は普通に過ごしているが、部活のメンバーが一番悪口を言っているので、部活を辞めようと思う。

アドバイス

SNSの中で起こっていることであっても、問題は人間関係だったり学校生活であるため、解決のために先生や部活の顧問、先輩などにも相談してほしい。SNSグループの人たちと少し距離を置くことも1つの方法であり、普段の学校や部活の生活での支障が何もないのであれば、このまま様子を見るという選択肢もある。ただし、部活動を含めた学校生活が脅かされるように感じることがあった時には、堂々とまわりの大人に相談をしてほしい。

ポイント

SNSが現実世界の愚痴を吐き出せる手段の1つであることは否定しないが、明らかに誰かを傷つけているとしたら、それはいじめにつながる行為であることに気付いてほしい。非公開のグループ内であっても、悪口が一度グループの外へ公開されれば、より広範囲に拡散し、より多くの人が被害者にも加害者にもなってしまう可能性がある。 相手を思いやり、みんなでルールを守って、コミュニケーションを楽しむための場所として活用してほしい。

相談内容(2019年4月・青少年女子)

メッセージアプリのグループで友達が悪口を書かれていた。ネット上だけでなく実際に無視されたり悪口を言われたりしていて友達ができそうにない。このようなグループがとても嫌だが、グループを退会するとそのことが同じグループに入っている全員に共有されるのでどうすれば良いか困っている。

アドバイス

機械だけで根本的な解決をすることは難しいが、グループ宛にメッセージが投稿されたとしても、通知が出ないように設定しておくことを勧める。その際に未読にしておくか、既読にするかについては自身で選択してほしい。現在起こっていることは、アプリがきっかけの出来事であったとしても、解決すべき問題は人間関係や学校生活であり、ネット上だけの問題ではないこと、機械的にすべてを解決するのは難しいことを理解し、先生にも相談できると良いだろう。

ポイント

インターネット上の出来事であっても、解決が必要なのは学校生活や友達関係であり、周囲の大人にも相談してほしい事例である。思春期の青少年にとって、学校という集団生活の中で誰とでも仲良くすることは現実的に難しいかもしれないが、人を傷つけるような言動は許されないことだと自覚できることが大事である。この相談者が感じている葛藤が、孤立した友達を救うきっかけになることを期待したい。

相談内容(2019年3月・保護者・青少年女子)

子供の姿が友達によって動画で撮影され、SNSに載せられた。以前からずっとそのようなことがあり、学校にも相談し、生徒たちへSNSを利用する上での注意をしてくれているが効果がない。今後このようなことが起こらないことを願うが、データはまだ相手の手元にあるので、拡散される恐れもある。どういった対処をすれば良いか。

アドバイス

動画や画像を相手が保存している限り、それがどのように使われるのかは相手次第であり、自分でコントロールするのは難しい。確実に削除してもらうためには話し合いを重ねることが大事である。本人の理解がなくては、手元から動画を削除してもらうことも、今後の利用を防ぐことも難しいためである。当事者同士でのお話し合いがうまく行かない場合は、学校の先生などにも同席してもらうと良いだろう。

ポイント

誰でも勝手に自分の容姿を撮影されたりSNSに載せられたりしない権利を持っている。その権利が守られるように、友達の理解と協力が必要である。撮影・投稿した友達にとっては悪ふざけの延長だったかもしれないが、仮に動画を拡散させたりすれば、肖像権侵害の問題に発展するかもしれず、大きな責任を負うことになってしまう。インターネットのルールとマナー、情報発信の責任を本人に自覚してもらうことが何よりも大事なことだろう。

相談内容(2018年12月・保護者・青少年女子)

娘のSNSに匿名でダイレクトメッセージが送られてきたのだが、娘のことを知っているような書き方で、下の名前を言ってきたり、不適切な内容や学校のことも含まれていた。内容から推測すると同じ学校の誰かなのだが、鍵付きで友達には教えていないアカウントだったので、娘は怖がっている。友達からはSNSを止めれば良いと言われ、今は止めている。嫌なメッセージは保存してある。

アドバイス

SNSを利用していると、匿名で無責任なメッセージを送ってきたり、迷惑な行為をする人に出会ってしまうこともある。嫌な人が現れたら、ブロックするなど相手から離れるのが良い。今回の出来事は誰にでも起こり得ることで気にしない人もいるかもしれないが、娘さんにとってはショックだったと思うので、利用を止めたのは正しい対応だろう。

ポイント

SNSと付き合う上で注意すべき点の1つは、悪意のある人に出会ってしまう可能性があることだろう。相手が誰かを突き止めるのは簡単ではないため、一方的に傷付き、時には疑心暗鬼になり現実生活が一変してしまうことさえある。このようなトラブルは自衛をしていても完全に防ぐことは難しい。ネットの世界は決して匿名ではないが、「誰だろう」と怖がることなく、無責任な行為には反応を示さず毅然としていることも正しい対処法の1つである。

相談内容(2018年9月・青少年女子)

SNSでつい感情的になり友達の悪口を書いたら、すぐに友達にバレてしまった。今は謝りたいがどうすればいいかわからず悩んでいる。

アドバイス

学校で会える相手なら直接会ってお詫びをするのが良い。相手の顔を見てお詫びの気持ちを正直に伝え、許してもらうことが大切である。直接会う相手ではないとしたら、お詫びも文字だけで伝えることになる。文字だけで伝えるときには、誤解を招くことを避けるために、実際に会うときよりも丁寧な言葉を使うことを意識してほしい。自信がないようであれば、保護者や家族に相談して一緒に助けてもらうと良い。

ポイント

インターネット上は誰でも見ることができる公の場所であり、一度発信した言葉は想像以上のスピードで広範囲に広まってしまう。思ったことをすぐに発信するのではなく、誰が見ても問題ない内容かどうかを考えることが大事である。インターネット上でのトラブルであっても、友達関係の問題はお互いに話し合いをして解決できるのが良いだろう。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。