相談事例

ネットいじめ

相談内容(2018年8月・青少年女子)

動画投稿アプリでアンチコメントが多い。学校の友達がかばってくれているが、なかなかアンチをする人が止めてくれない。

アドバイス

インターネットに投稿している情報は、見ず知らずの人も見ている。知らない人が無責任な発言をすることも多い。状況により、自分とは合わないと感じる人とは関わりを持たないことがトラブルを起こさない秘訣でもある。ブロックの機能などを使うことも1つの選択肢である。

ポイント

自分の投稿に対して批判的なコメントを受け取ると、知らない相手からだったとしても見過ごせない気持ちになってしまうだろう。しかし、こうしたこともインターネットに情報を発信するときには誰にでも起こり得ることであり、他人の言動をコントロールすることは難しいと考えてほしい。相手が挑発するような言葉遣いをしてきても、自分に非がない場合であっても、相手に対しては常に冷静な態度で正しい言葉で対応することがインターネット上でトラブルを大きくしないコツである。

相談内容(2018年2月・保護者・青少年男子)

複数の保護者から、SNSの誰でも見られるページに息子の名前を出して悪口や「死ね」という言葉が書かれていると教えられ、スクリーンショットを送ってくれた。書いている相手はずっと仲良しだった友達で、少し前から関係が悪くなった。SNSに悪口が書かれていることを学校へ知らせるべきか悩む。SNSの書き込みは止めさせてほしいが、学校のトラブルではないので、学校への相談も躊躇している。

アドバイス

ネット上の書き込みであってもクラスでのいじめが発端であり、いじめの場所が教室からSNSに移った状況だと考えられる。このため解決には学校の先生の協力は必要だと思うので、学校への相談をためらわないでほしい。息子さんの気持ちを確認してから学校に相談するのが良い。対応としては、先生には、相手の生徒に指導してもらう、相手の保護者にSNSの管理を約束してもらうなどが考えられる。悪口や死ねなどの書き込みがスクリーンショットで拡散してしまったら消すことが難しくなり、相手の生徒にとってもリスクである。

ポイント

家庭で使わせているインターネットで問題があったとしても、インターネットはあくまでも道具であり、学校内での人間関係において起こっているトラブルならば、学校への相談を躊躇する必要はないだろう。インターネット上での悪口が消えたとしても、学校内での人間関係が必ずしも改善されるとは限らないことから、保護者1人で抱え込まずに、学校や保護者、それぞれの立場でできることをするべきである。

相談内容(2018年1月・青少年女子)

メッセージ付きの写真を投稿できるSNSアプリの中で、ある人に傷つけられ、仕返しに悪口のような怒りのメッセージを送ってしまった。謝りたいが、あとで大きな問題になるのが怖い。その人はメッセージを気にしていないようだが、本当は気にしていたらとても申し訳ないと思っている。どうしたら良いか。

アドバイス

インターネット上ではお互いに顔が見えず相手のことをよく知らないために、無責任な発言をしてしまったり配慮が足らずにトラブルに発展しやすい。今後はインターネット上であっても現実の世界で友達と会話をするときと同じだと考えて言葉を選ぶように意識してほしい。相手にお詫びをするときも、文字だけのやり取りであることを忘れてはならない。相手を嫌な気分にさせないか、誤解を与えないか、同じ文面を受け取ったらどんな気持ちになるかを想像して読み返してほしい。お詫びに対して相手から返事がなかったり逆に傷つくような返事が返ってきても、今度は気にしない姿勢をとることが大事である。

ポイント

インターネットは知らない人同士でも気軽にコミュニケーションができる場所だが、現実でのコミュニケーションと同じように、言葉遣いに気をつけ、相手へのマナーを忘れないことが大切である。一度発信した言葉は瞬時に相手に届き、取り消すことや訂正することが難しい。相手の顔が見えない状態では、謝罪の気持ちをうまく伝えることも難しくなってしまう。スマートフォンの小さな画面だけを見ているときには特に注意が必要である。

相談内容(2017年12月・保護者・青少年男子)

子供が同級生の顔写真をSNSのアイコン画像に載せていた。写真はSNSグループに回されてきたものだった。子供はそれを無断で載せてしまった。学校から呼び出しがあり、先生と同級生の保護者も含めて話し合った。保護者の方から、なぜ載せたのかと問われている。スマートフォンは保護者所有のものを子供に貸し出していたが、こんなことをしているとは想像もしていなかった。

アドバイス

本人の同意のない写真を無断で使用してしまった点では、いじめの意識がなかったとしても、相手にとっては受け入れられないことだったかもしれない。今後の話し合いには誠実な対応をとることが一番良い。親子でルール、モラル、マナーについて話し合い、肖像権などの権利についても理解を深めてほしい。お子さんのSNSなどの利用についても状況を見守ってほしい。

ポイント

スマートフォンなど多くの携帯端末にカメラが付いており、友達同士での写真撮影、SNSでの共有が日常化している青少年も多い。しかし、楽しい写真も一時的な感情でインターネットに公開したり、無責任な扱い方をすれば権利侵害の問題にも発展しかねない。写真だけでなく、インターネット、スマートフォン、SNSで情報を発信するときには、それを見ている相手がいることを意識し、相手を傷つけていないか、本当に発信して良い内容なのかを考える習慣を身に付けることが大事である。

相談内容(2017年11月・保護者・青少年男子)

子供が友人に突然顔写真を撮られ、悪質な加工をされて、メッセージアプリを通じて同じクラスのグループへ回されていた。子供はスマートフォンを持っていないので確認できていないが、学校に相談し、グループ内の生徒に対して写真を削除するように指導してもらった。しかし、グループ内に渡った写真を完全に削除することができるのか不安である。

アドバイス

グループメンバーへは写真を削除するように先生から伝えているので、その後の状況も確認できるように、先生の支援を継続してもらうことを勧める。また、本人の同意を得ていない写真をインターネットに掲載する、本人の許可なく写真を加工することが、インターネットのマナーに反することであり、本人の肖像権を侵害する行為であるということも、指導をお願いすると良い。一度広まった写真を完全に削除するのは大変厳しいが、今後もしも写真がどこかで見つかったら、そのときに削除方法や対応を考えることになる。

ポイント

写真をめぐるトラブルの相談は、加害者・被害者のどちらからも増えている。友達同士の悪ふざけでグループ内だけに公開したつもりでも、デジタル写真はインターネットを通じて想像を超える範囲へと広がり、完全に削除することが困難になってしまう。それが他人を傷つけるような加工を施した写真だとしたら、加害者側の責任はより重いものとなるだろう。他人の権利を尊重する気持ちは、インターネットの利用に限らず身につけておくべきモラルとして、学校や家庭で理解を深めてほしい。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。