相談事例

ネットいじめ

相談内容(2021年9月・青少年女子)

初めは友達が陰口を言われたり仲間外れにされたりしていたが、それが発展して自分も嫌がらせを受けるようになった。同じ学年の生徒が入っているメッセージアプリのグループで名前を出して悪口を言われた。いじめてくる子は数名だが、その子たちから変な噂を流されて困っている。

アドバイス

メッセージアプリでの悪口についてはスクリーンショットに撮って保存しておくことを勧める。その画面を先生に見てもらうなど、身近な大人の力を借りて安心して学校に行けるように助けてもらってほしい。悪口を言ってくる人とは関わらないという考え方もあるが、インターネットは人を傷つける道具ではないことを全員に理解してもらう必要もある。担任の先生、学年主任の先生、保健室の先生、スクールカウンセラーなど、相談しやすい先生にお話を聞いてもらって解決へのきっかけをつかめると良い。

ポイント

メッセージアプリのグループ内での出来事は外部の目が届きにくく、言葉による攻撃も過激になりやすい。大勢のグループメンバーが見ている場所での悪口は心のダメージも大きいかもしれない。このことから、我慢をせずに先生や保護者など身近な大人に相談してほしい。学校での友達関係のトラブルがインターネット上にまで広がるケースは多くあり、悪口や中傷をインターネット上だけで防ぐことは難しいので、友達関係や学校生活全体を改善して防止する必要があると考えてほしい。

相談内容(2021年6月・青少年男子)

オンラインゲームで不正行為をしている人がいたので、運営側に報告したが対処されなかった。相手は知らない人だが、規約違反なので不正行為を動画サイトに公開した。すると、動画を消さないと個人情報を特定して晒すとコメント欄に書かれた。どうしたら良いか。

アドバイス

一般的に考えて、自分から個人情報を教えていなければ相手が本当に知っているとは考えにくい。しかし、インターネット上で自身が公開してきた動画、プロフィール、発言内容などをつなぎ合わせて個人にたどり着くこともあり得るので、発信内容を見直すことを勧める。万が一、本当に晒されるようなことがあれば、削除依頼をしたり警察へ相談するなどで対処してほしい。相手の言葉に過剰に反応せずに、ブロックをしたり運営会社へ通報するなどを家族と相談できると良い。

ポイント

利用規約違反を運営会社に報告したのは正しいが、相手の行為をインターネット上に公開するのは適切な手段ではなかったかもしれない。運営会社に報告したあとは、どのような措置がとられるかは運営会社に判断を委ねることになるため、望み通りの結果にならないこともあると理解してほしい。これ以上被害を大きくしないためにも、自分自身はルールを守ることが大切であり、身近な大人の助言を聞きながら行動してほしい。

相談内容(2021年5月・青少年男子)

チームを作って遊ぶオンラインゲームでいじめられている。ゲーム中に口論になったり、相手への返事ができないとすぐに中傷される。関係ない人にも傷つくことを言われたりしている。これまでは無視したり反論したりしたが、どうするのが良いのか。

アドバイス

相手からの挑発に無視をするのは正しい対応である。相手への怒りや不満は、誰かに聞いてもらうことで抑えられることもあるので、ゲーム内で打ち明けられる人や、身近にいる親しい人に話すことも大切である。ゲームもコミュニケーションの場であり、相手の言葉を冷静に判断し、自分の感情を相手にぶつける前に、相手はどう思うかを考えられると良い。ゲームにも利用規約があるので、相手の言動に規約違反があれば、運営会社に報告することも可能だろう。

ポイント

オンラインで利用者同士でコミュニケーションができるゲームが増えている。仲間同士で連携することで学べることもたくさんある一方、ゲーム中は思考や言葉遣いが過激になりやすく、喧嘩、中傷、いじめなどのトラブルに発展しやすい面もある。過激な言葉をかけられ、ゲームが終わっても嫌な感情を引きずってしまったときには、現実の世界で身近な人に話を聞いてもらうことを大切にしてほしい。傷つく言葉に我慢できないと感じたら、いったんゲームから離れる勇気も必要かもしれない。

相談内容(2021年2月・青少年男子)

SNSに自分のなりすましアカウントがあり、嫌な写真を載せられたり、写真を加工されたりしている。そのアカウントは自分とまったく関係のない人と繋がっている。SNSの運営会社に何度も削除依頼をして、本人確認の手続きもしたが対処されていない。

アドバイス

インターネット上に投稿された情報を削除できるのは、基本的には投稿した場所を管理している人か、投稿した本人となる。SNSの場合は運営会社へ違反報告をすることができるため、SNSのヘルプページで報告方法を確認してほしい。また、なりすまし以外にも嫌がらせ、いじめ、プライバシー侵害などの報告もできるので試してみてほしい。今後の証拠保存のために、投稿内容やアカウント名などを保存しておくと良い。なお、報告をしても即座に対応がなされるとは限らず、対応を待つ必要もあると考えてほしい。

ポイント

なりすましは本人だけでなく、友達や身近な人までも被害に巻き込まれる可能性があり、多くのSNSはなりすまし行為を禁止している。このため、被害にあってしまったときには運営会社へ通報や報告をすることが早い解決につながる。その際は正しい方法で正確な情報を伝える必要がある。本人だと証明できることが重要であり、運営会社であっても本人確認ができなければ対処されない可能性を理解し、利用規約をよく読み、間違いや不備がないかをしっかり確認することが大事である。

相談内容(2020年10月・青少年女子)

SNSの投稿を見て嫌な気持ちになったので、相手は知らない人だったがダイレクトメッセージを送り、このようなことは止めたほうが良いと思うと伝えた。すると、自分は感想を言ったつもりだったが、悪口と受け止められて反論されてしまった。すぐに謝罪のメッセージを送ったが、相手からまた攻撃されないか不安になっている。

アドバイス

インターネット上の言葉だけのやり取りは誤解が生じやすい。特にまったく知らない人からの言葉は、受け止め方も批判的になりがちである。素直に謝ることができたのは正しい対応である。相手がこれからどのような行動をとるのか、推測することは難しいため、少し様子を見ることを勧める。今後さらに攻撃するようなメッセージが届いたときには、そのときに対処法を考えることになる。

ポイント

SNS上では知らない人の投稿にも意見や感想を自由に伝えることができ、自分の考えを伝えることは大切なことである。しかし面識のない相手に対しては、身近な友達とは違うことを意識して慎重に言葉を選べると良い。相手がどのように受け止め、どのように反応してくるのか予測ができないからである。また、価値感や好みが合わない投稿を見かけたとしても、冷静に受け流すこともトラブルを避けるコツである。今回の経験をこれからのSNSとの付き合い方に活かせると良い。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。