相談事例

ネットいじめ

相談内容(2013年12月・保護者・青少年男子)

友達同士で動画を撮り投稿サイトに出した。その中で同級生の子の悪口を言っている部分があり、本人が見て学校の先生に言い問題になった。息子は撮影担当だったため悪口は言っていないが、悪口の部分をカットもせずに出してしまったので当然相手の親は激怒している。動画は先生立会いのもと削除したが、それを見ていた人が違うファイル名を付けて流したり悪用されることが心配。

アドバイス

一度でもインターネットに公開されてしまったものは、持ち主の手を離れている状態なので、その使われ方をコントロールすることはできない。つまり、ファイル名を付け替えて流したり悪用されることが100%ないと言いきることはできない。今後、もしもファイル名を付け替えで別の場所で流されている、あるいは悪用されているのを見つけたら、削除依頼を出すなどの対応があるので、その時に解決策を考えることになる。

ポイント

動画・画像をインターネットに載せる場合には、他人を傷つけるような内容が含まれていないか、十分に吟味しなければならない。なぜならば、インターネットに公開した動画・画像は、他人が簡単に入手できる状態であり、その使われ方をコントロールすることができないからである。知らないうちに悪用されてしまうこともあり得る。自分の手から離れてしまったものに関しては、どこでどのように使われたのかを特定することができなければ、削除依頼などの対策を講じることもできなくなるのである。

相談内容(2013年9月・保護者・青少年男子)

息子の元同級生たちが利用するメッセージアプリのグループで息子の写真が勝手に回されている。写真を送信した生徒は、悪いことをしたと認めているが、すでに他のグループにも回っているので、削除する、やめさせるなどの対処をしたいのだがどうしたら良いか?息子はグループメンバーとは現在は交流もないのに知らない所で写真が回されたのは、嫌がらせであり、息子も怒っている。

アドバイス

他人の写真を勝手に回すことはマナー違反であり、いじめの加害者に相当する行為でもある。このことを認識してもらう必要がある。すでに相手も認めているようなので、回した本人からグループに向けてお詫びと反省、写真の削除をお願いする連絡をしてもらうことができれば一番良いだろう。今後、万が一、写真がネットに掲載されるようなことがあったら、法律にてらして削除依頼で対処すると良い。

ポイント

グループに一斉送信した写真は受信側のそれぞれの手元に保存されるので、写真は外部から無断で閲覧や削除をすることができない。このため写真を受信した一人一人に削除を要請することになる。しかし、このような閉じた世界においても、いじめ、嫌がらせは不法な行為であり、他人の写真を無断で回すことは肖像権を侵害する行為になる。罪になりかねない行為でもあることをしっかり認識して行動してほしい。

相談内容(2013年7月・青少年女子)

自分が運営する趣味のサイトでのトラブル。サイト内に設置した掲示板上で、サイトを見た人から間違いを指摘されたが、傷つく言い方だったので勝手に削除してしまった。消した後で掲示板上で許可を求めたが、その後相手から、サイトに掲載されているものが著作権と名誉棄損にあたるため通報した、という連絡が来た。本当に法で裁かれてしまうのだろうか?自分も相手の言葉に傷ついている。

アドバイス

自身が運営する掲示板においても、人が書いたものを勝手に消してしまうのはインターネットのルール・マナー違反である。今後、同様のトラブルをおこさないためにも、掲示板のルールは作るべき。利用する人が安心して使えるような具体的なルールを作り、それに従わない場合には管理人が削除をするルールにしておくと良い。サイトに掲載している情報ついては、実在の人物のイメージを傷つけるような情報は名誉毀損で訴えられる可能性があり、他の人の文章をコピーしたり、写真や画像を許可なく勝手に使っていると著作権の侵害に当たる可能性はある。人を傷つけるような行為はしておらず、人が作ったものを勝手に使っていないのであれば、相手の言葉は気にしなくて良いだろう。

ポイント

インターネットでは情報の発信に責任を持つことは当たり前のルールである。まして、ホームページを運営するのであれば、ホームページを訪れる人を選ぶことはできないので、実生活では接点のないような大人から子供まで多くの人とのコミュニケーションを取る必要があり、管理人としては、ルールやマナーを身につけておかなければ、今回のように自らトラブルを引き起こす可能性もある。トラブルを起こさないためには、ホームページや掲示板を利用する人に向けたルールを公開し、ルールに沿った利用をしてもらうことで、管理人としても管理がしやすいページになるだろう。

相談内容(2013年2月・保護者・青少年女子)

娘の悪口等を書いたメールを友だちが受け取っていたらしい。その事を友だちから聞いた娘は、現在のところ全く気に留めていない様子で、普通に学校へも行き、クラブ活動も変わりなく行っている。実名入りのメールがフリーメールを使って送られていると聞いて、大変不安に感じている。このメールは誰が出したのか突き止めたいと思うし、これが広がって行ったらどうしようと思って悩んでいる。

アドバイス

娘さん本人が激しく動揺している状況ではなさそうなことから、まず本人の知らないところでメールが送られていることを学校の担任、あるいは生活指導の先生に詳しく伝えておくべきだろうと話す。友達に話して、回ってきたメールを証拠として保存し、先生に提示するように伝えた。母親は様々な心配をしているが、状況を娘さんから無理に聞こうとせずに話すのを待つ、日常生活で変化がないかはこれまで通りに見守ってほしいと伝えた。メールの差出人を特定することは、状況から判断するに難しいだろうと伝えた。

ポイント

メールを使って他人を誹謗中傷する行為は、保護者や教師が見つけにくい場所で進行する。この事例ではメールに書かれた本人は動揺していないように見えても、この状況が長く続けば精神的なダメージが増すと予想される。学校内でのトラブルが原因である場合も考え、状況を正確に学校側へ伝える必要があるだろう。面と向かって発する言葉よりも文字によるコミュニケーションは、相手を傷つける度合いも大きいと理解するのも大切だ。保護者としては子供とのコミュニケーションを密にしながら、子供の日常生活のわずかな変化にも留意してほしい。

相談内容(2013年1月・保護者・青少年女子)

友達グループの一人のブログに、娘を非難することが書かれていることがわかった。実名は載っていないが、学校の生徒が見れば娘とわかる内容だった。別の生徒が、書いてはいけないことだとコメントを寄せて注意してくれていた。しかしその後、悪口がひどくなっていた。最初は本人同士で解決させようと様子を見ていたが、本人も落ち込んでいるので、何とかしないといけない。

アドバイス

悪口をブログに書くことはいけないことであり、本人が自覚して削除できるのが一番良い。それには娘さんや友達から直接言う、学校や相手の保護者を通すなど方法がある。削除要請以外には、完全に無視をして、動じていないことを見せるのも1つの対処法である。相手は現実でのいざこざをネットにも持ち込んでダメージを与えようとしているかもしれない。卑怯なやり方なのでそれに振り回されない気持ちも大事である。娘さんの味方をしてくれる友達もいるようなので、今のグループから離れ、ブログを見ないことで収まることも考えられる。

ポイント

学校でのトラブルがネットの悪口に発展している場合、対処としては、相手に悪口の削除を求めることであるが、この事例では書き込みを注意されたことでエスカレートしている状況であった。このため、ネット上でも学校生活でも、「見ない、相手にしない」という選択肢もあることを教示した。しかし、子供にとってはストレスを伴うことであり、保護者が見守り精神面をケアしていくことが大切だろう。学校でのいじめが悪化するようであれば、学校での対処ももちろん不可欠である。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。