相談事例

ネットいじめ

相談内容(2012年11月・保護者・青少年女子)

娘がスマートフォンの掲示板に悪口を書かれた。内容は、いたずらの限度を超えて悪質である。書き込んだのは同級生だと分かっている。ネット上だけでなく実際にクラスの中でも浮いた存在にされているそうである。すぐに学校に連絡し、対処してほしいと訴えたが学校の姿勢に納得がいかず、今度学校へ面談に行く予定。

アドバイス

ネット上の悪口は書いた相手が確実にわかっている場合は直接本人に、悪いことだと指導できるのが一番良い。事実の確認をして生徒を管理している学校の先生から指導をしてもらえるのが望ましい。現実にもいじめの兆候があるようなので、担任の先生、学年主任、校長先生に今後どう解決していくのかについてお話してもよいと思う。書き込みをすべてプリントアウトして用意し、娘さんから聞いているクラス内での状況を学校にお話しし、いじめにどう対処するのかお話ししてほしい。

ポイント

学校でのいじめの延長でネット上でも悪口が書かれてしまった事例である。書き込みは削除できても、現実のいじめをなくし、通常の生活を取り戻せない限り本当の解決にはならない。学校と連携して、子供へのケアを行う必要があるだろう。スマートフォンやSNSの普及から、このような事例は今後も増えることが考えられ、学校においても相談体制が整備されることが望ましい。

相談内容(2012年10月・保護者・青少年男子)

子供がネット上でなりすましの悪口を書かれた。学校で対応してくれているが、自作自演だという雰囲気が流れているようで、なかなか対応が進まない。一刻も早く書き込んだ人を特定して問題解決をしたいと思っている。警察にも相談に行ったが、事件にならないと書き込んだ人を特定するのは難しいと言われた、一体どうしたら犯人を特定できるのか、弁護士なのか、どうすれば良いか教えてほしい。

アドバイス

プロバイダー責任制限法という法律で「発信者情報開示請求」というものがある。今回の場合は、サイトの運営元に請求をするのであるが、所定の様式があるので、それに沿って手続きをすることはできるとアドバイスし、様式があるURLを案内した。なお、必ず開示されるわけではないこと、本人確認等を得て審査をすると思われるので時間はかかるだろう。自身で請求するのが難しいのであれば、弁護士等に相談し、代理請求してもらうこともできる。

ポイント

ネットへのなりすましの悪口は、書き込んだ側はいたずらのつもりでも、被害者のショックは大きい。ばれないと思っても法的な手順を踏めば、誰が書いたかを調べることができることを、青少年は認識するべきであろう。このようなトラブルでは、書き込んだ本人に「悪いことをした」と気付かせ、反省を促し、削除の対処ができるとよい。学校の生徒同士の間で起きている問題ならば、学校と連携して対策を話し合うことも忘れてはならない。

相談内容(2012年7月・保護者・青少年女子)

娘は1年前、友達のブログにあだ名で悪口を書かれた。もう忘れていたが、先日学校でいじめのアンケート調査があり思い出し、このことを書いて提出した。担任の先生がすぐにヒヤリングをしてくれたが、相手の生徒が否定したようで、結局調査は進んでいない。踏み込んだ調査は行われない様子。実際にブログを見たわけではない。友達本人からパソコン画面をちらっと見せられたとのこと。どうしたらよいか?

アドバイス

相談者は、悪口のことを知ったばかりで、事実は確認できていないようだった。書き込みの場所を特定できれば削除方法を案内できる。書き込みが1年前であること、今まで娘さん自身も忘れかけていたことから、今から過去の書き込みを探して削除依頼をするのか、このまま無視できるのかを、娘さんとよく話し合うことを勧めた。現実の学校生活の中でいじめもあるのであれば、学校・教育委員会の協力を得て娘さんを守ってあげてほしい。

ポイント

悪口の書き込みには、多くの当事者が消してほしい、書き込んだ相手を罰してほしいと望むが、個人のブログで公開範囲が限定されているケースでは、書き込み自体を特定するのが難しいこともある。見えない書き込みに対しては、気にせず無視することも選択肢の一つである。一方、ネットいじめが学校での現実のいじめの延長で発生している場合は、ネットの書き込みだけでなく、現実のいじめからも子供を救済しなければならない。ネットいじめの原因、現状、学校生活について子供とよく話し合い、解決に導くことが大切である。最善の対処方法を見つけるために「こたエール」等、専門の相談窓口も活用してほしい。

相談内容(2011年11月・保護者・青少年女子)

SNSサイトで、娘の名字と学校名を出して中傷する書き込みを見つけた。そこには同じ学校の生徒が参加しており、先生のことを書いている人もいる。書いた相手もだいたいわかる。娘を中傷する書き込みは、だいぶ前のもので、今は何も書かれていない。娘は、このことは知らない。現在その友達やクラスで娘がいじめられているとは考えにくい。こうした場合はどうしたらよいのか?削除してもらうべきか、無視するべきか悩んでいる。書いた相手に注意したいと思うが、相手を逆なでするようなことはしたくない。

アドバイス

だいぶ前の書き込みで、フルネームまでは書かれていないことから、このまま無視するのも解決策の1つだと話した上で、サイト管理者への削除依頼の方法を案内した。実際に削除されるかどうかはサイト管理者の判断になること、名字だけだと個人への誹謗中傷と判断されないこともあると話した。また、学校名が出されているのであれば、先生に相談して学校から削除依頼を出してもらうことも考えられる。削除されたあとで学校として全校生徒に指導してもらったケースもあると話した。

ポイント

ネット上で悪口を書き込まれたことによる心理的なダメージは計り知れない。文字により受けるインパクトは大きい。だからこそ、書き込むことは容易ではあるが、なぜそのようにしてしまうのか、なぜ間接的な手段で相手を傷つけてしまうのかといった観点から事の重大性を認識させること、また、書かれた場合の対応をしっかり教えることが大切である。今後も、この事例のような相談が減ることは考えにくい。だとすれば、より明確な倫理観として捉えることにより、さらに指導の場を増やし、根本的な解決方法を模索していかなければならないと考える。

相談内容(2011年7月・青少年男子)

友人の保護者あてに自分の名前になりすまされた脅迫メールが届いた。メールアドレスは自分のものではなかった。受験を控えている時期に不安である。どうしたらよいか。

アドバイス

友人やその保護者の方には、メールアドレスは自分のものではなく、なりすましメールであることを伝え、メールは念のため保存しておいてもらうと良いと助言した。また、友人の保護者には、今後なりすましメールを受け取らないための対策として、なりすましメール拒否設定をすることによって、受け取らなくて済むことを伝えてみるのも良いであろうと伝えた。精神的に不安な状況と推測されるが、今は受験という目標に向かって悔いが残らないよう、勉強に集中してほしいと伝えた。

ポイント

自分ではない、他の誰か宛てに、自分になりすましたメールが届いたことで、自分が悪いことをしたのではないか?との思いがあったようである。悪いのはあなたではない。ということと、今やるべきことに集中することで不安を軽減するよう助言し、実際に送られているなりすましメールの対処として、なりすましメールの拒否を友人の保護者へお願いすることも一案であると提言をした。自分の手の届かないところで起こっているトラブルは、より不安になるであろう。機械に振り回されず、自分にあった使い方を見つけ出し、様々あるサービスも上手に使い分けてほしいものである。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。