相談事例

依存

相談内容(2019年4月・保護者・青少年女子)

以前は時間設定をして遅くまで使えないようにしたり、ルールも作っていたが、スマートフォンを買い替えてからはルールがまったくない状況で使い始めてしまった。スマートフォンを手放さない。夜シャワーを浴びてからは夜中まで動画やインターネットテレビを見たり、検索しては好きなサイトを見ている。夜更かしを注意すると、暴力や暴言で反抗する。そのような状態の子供に何と声をかけて良いのかわからない。

アドバイス

スマートフォンを買い替えた時に、本来ならばルールの見直しをして、娘さんに合ったルール作りが必要だったかもしれない。現状の使い方を続けていたら今後の勉強にどう影響を与えるのかを、本人にもしっかりと考えてもらうこと勧める。こたエールのホームページに公開している「睡眠&生活チェックシート」を利用して、娘さん自身に生活時間を見直してもらうと良いだろう。その上でスマートフォンの利用ルールを話し合いながら決めてほしい。ルールが決まったら、紙に書いて貼り出すほか、ルールが守られているかを家族で見守ることが大切である。ルールが守られなかったときのルールも決めておくと良い。

ポイント

スマートフォンは適切に使いこなすことで日常生活や人とのコミュニケーションを豊かにしてくれる便利な道具となる。使い方を誤ると、スマートフォンに振り回され、自分の時間を支配されてしまうこともある。使い方の見直しのためには、1日24時間の過ごし方を記録し、子供自身が使い過ぎに気付けることが望ましい。フィルタリング、時間制限、タイマーなど物理的な対策も有効である。

相談内容(2019年3月・保護者・青少年男子)

スマホ依存気味で、スマートフォンの利用時間を減らそうとすると、途端に顔つきが変わり暴言を吐く。ルールを決めても、少しでも違うところを探してルール違反は親の方だと言い始める。スマートフォンを取り上げると暴力的になる。もっとしっかりと、お互い歩み寄ってルールを決めようと言っても話し合いがイヤだと耳を貸さない。

アドバイス

最初に行うこととして、1日の中でスマートフォンを使っている時間を、親子で確認してほしい。貴重な時間をどれぐらいスマートフォンに使っているのか、本人が気付くことが大切である。ルール違反が多いのだとしたら、どう変えれば守れるのか、本人の考えを引き出した上で新しいルールを決め、守れなかった場合のルールも決めておくと良い。親子で話し合って決めたルールは、家族が見える場所に貼っておくと良い。一度決めたルールは、保護者として毅然と守らせてほしい。スマートフォンの利用時間についてはフィルタリングを利用することも勧める。

ポイント

スマートフォンを使う目的は、勉強、友達や部活の連絡、動画、音楽、ゲームとさまざまあり、青少年にとって欠かせない道具かもしれない。しかし1日の時間には限りがあるので、睡眠や食事などの日常生活に支障をきたさないようにスマートフォンとの付き合い方のルールは決めてほしい。スマートフォンを利用しなくてもできることを見つけ、画面から離れて過ごす工夫も必要だろう。小さくて細かいルール、継続して守りやすいルールを親子で話し合えると良いだろう。

相談内容(2019年2月・青少年女子)

スマートフォンを控えようと思っているがまったく控えられていない。今度こそ止めようと思っていても、気づくとインターネットを閲覧したり動画を見てしまう。知人のアドバイスに従って時間を決めて使うことも試したができなかった。現在、絶対叶えたい目標があるのでそれに集中したいが、自分の欲に勝つことができない。好きな俳優の画像を探したり、動画が面白くてつい何本も見てしまう。目標に向かって全力を尽くしたいがどうすれば良いか。

アドバイス

目標を達成するために何をしなければいけないのか、見える形で書き出してみることを勧める。そうすることで、インターネットを自由に使える時間が1日にどれぐらいなのかを数値として出せるだろう。知人からのアドバイスがうまく効果を上げなかった原因もしっかり見極めてほしい。利用時間を制限する方法として、タイマーを設定して自分で管理することもできるだろう。家族の協力をお願いするのも良い。時間制限アプリを使うことも有効である。睡眠や生活時間の記録をとり、時間の見直しも図ってほしい。

ポイント

自分の生活がスマートフォン中心になって振り回されていると自覚できたら、それが改善への第一歩だと考えてほしい。スマートフォンは便利に使いこなす道具であって、自分の大切な時間を奪う存在ではないはずである。生活を立て直すときには、ひとりの力だけで頑張るのではなく、家族の協力を得ることも必要になる。端末を家族に預かってもらったり、一定時間が過ぎたら本体にロックがかかるように設定してもらうなど、物理的な工夫をすると、決めたルールを守りやすくなるだろう。焦らずに日常生活の小さな習慣から少しずつ改善していけると良い。

相談内容(2019年1月・保護者・青少年男子)

息子がスマートフォンを片時も手放さず、帰宅後から寝るまでスマートフォンを触っている。食事中も画面を見たままで、手放すのはお風呂のときだけ。スマートフォンを持たせた当時は、使って良い時間と場所のルールを決めて守っていた。それがだんだんルーズになり、今は明確なルールがない状態。ゲーム、動画、SNSを引っ切り無しに見ている。ネット依存症を心配している。

アドバイス

スマートフォンは保護者が購入・契約しているもので遊び道具ではないはずなので、使い方を親子で話し合い、本人にルールを考えてもらうことが大事である。曖昧になっていたルールを再度見直し、スマートフォンを持つ目的、利用時間、利用場所などのルールをもう1回決めることが望ましい。フィルタリングやペアレンタルコントロールなど、機械的な制限も有効である。それでも手に負えないと感じるようであれば、ネット依存の専門医に相談することを勧める。

ポイント

青少年の日常生活はスマートフォンさえあれば、趣味や友達との連絡、勉強や調べ物など、目的のほとんどを手元の操作でこなすことができる。便利な道具である一方、スマートフォンに時間を奪われ家族との会話が減ったり、睡眠不足が続くなど、注意が必要な側面もある。大事なことは、利用目的を明確にしてメリハリをつけて付き合えることだろう。保護者は子供が何の目的にどのくらいスマートフォンを利用しているのか、1日の過ごし方を把握し、必要であれば子供と一緒に時間の使い方の見直しを図ってほしい。生活リズムに合った利用ルールを親子で決めることができると良い。

相談内容(2018年11月・保護者・青少年男子)

息子が1日中ゲームにのめり込んでいる。時間のルールを決めても、守れるのは最初だけですぐにまた時間をオーバーしてしまう。スマートフォンが使えないときはパソコンを使おうとする。ゲームアカウントを削除したこともあるが、いつの間にかまた作っていた。課金も止めることができず使ってしまう。

アドバイス

ゲームのやり過ぎを改善するには、本人が時間や生活をコントロールできるようになる必要がある。やるべきことをやり、余った時間をゲームに使うというルールを徹底して続けていくことが大事である。ただしゲームについてはゲーム障害という病名で治療が始まっているので、自分の意志で止められない状況であれば、専門医の診察を受けることが勧められている。機械的な対策として、スマートフォンやPCのフィルタリング、時間制限、タイマーの活用なども有効である。

ポイント

自分専用のスマートフォンを持ち歩く青少年が増え、ネットやゲームへの依存を心配する保護者の相談が増えている。ゲームのやり過ぎの問題点は、生活の中でゲームが最優先になってしまい、食事や睡眠などの日常生活が乱れてしまうことである。時間の使い方にメリハリをつけてネットやゲームと付き合えるようなルール作りと、守れなかったときのルール決めをして、家族全員でルールに沿った行動をとれることが望ましい。一方、子供が何らかの悩みなどを抱えていて、現実逃避の結果としてゲームにのめり込み、時間のコントロールができなくなっているケースも多く見られるため、専門の医療機関に相談することも大事である。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。