相談事例

依存

相談内容(2017年3月・保護者・青少年男子)

息子が勉強のストレスで現実逃避からゲームばかりやっている。現在は、ゲームのほかに音楽も聴きたいと言うので、1日の利用時間を決めてスマホを自由に使うことを許している。しかし、何時間利用しているかまで管理するのは難しい。最初に親子で一緒に決めたルールでは、夜12時までに就寝し、その際にスマートフォンをリビングに置く約束だった。ルールを守れなかったら解約するというルールも決めていた。しかし、毎日ズルズルと利用時間が延ばされている。ルールに従って解約すると伝えると暴れ出すのでまだ実行していない。どのようにすればルールを守れるようになるのか。スマートフォンを取り上げるのが正しいのか逆効果なのか、対応に迷う。

アドバイス

親子で決めたルールを子供が守れなかったときには、ルールが適切だったのかを一緒に見直すことから始めると良い。守れないルールを作るのは現実的ではないだろう。ただし、スマートフォンは保護者の持ち物で、子供に貸し出しているものである。100パーセント本人の自由になるおもちゃではない意識を持ってもらう必要があるだろう。ダラダラと使い続けている状況であれば、メリハリをつけるために、時には保護者が預かることも必要である。時間制限のあるフィルタリングやタイマーアプリ、保護者がコントロールできる制限機能など、機械的な対策も有効である。

ポイント

新学期や新入学を迎え、初めてスマートフォンを手にする子供も増える時期である。自分専用のスマートフォンを持つことで、生活が楽しくなる反面、子供はゲーム、音楽、動画、SNSなどにのめり込みやすく、自覚症状がないまま急激に使い過ぎの状態に陥ることが多いので注意が必要である。スマートフォンもインターネットも、利用する目的を明確にしておくことが大事である。家庭で決めた目的以外の使い方をするときには、その都度、話し合いをして解決できることが望ましい。

相談内容(2016年6月・青少年女子)

通話ができるSNSアプリをダウンロードし、ユーザーとの通話で報酬を受け取れるサービスに登録をした。ユーザーから電話がかかってくると、それがランキングに反映され、ランキングが上がるとモチベーションが上がるので、続けていた。しかし、そのアプリに依存していたので、利用を止めようと思っているが、退会の方法がわからない。

アドバイス

アプリの利用規約により、退会にはパスワードの入力が必要である。パスワードがわからない、失くしたなどの状況であれば、運営会社にその旨を伝え、退会方法を問い合わせる必要がある。サービスを使う時は、自分自身の意思で登録しているはずであり、利用を停止するのも自分の意思である。利用を止めたいと思うならばその意思を運営会社に伝えてほしい。

ポイント

インターネットは「人から認められたい」、「人と繋がりたい」という人間の欲求を簡単に解決してくれるツールであり、簡単であるがゆえに依存状態に陥る側面があるだろう。膨大な人と繋がることでストレスを感じることもあるかもしれない。このように、インターネットに振り回されないために、何のために使うのかという「目的」、日常生活が乱れないよう「利用時間」を明確に決め、瞬時の満足感を求めるのではなく、自分の意思と責任でインターネットを動かし、便利に正しく使ってほしい。

相談内容(2016年1月・保護者・青少年男子)

スマートフォンを食事の時も離さない。学校に遅刻するようになり、成績も下がっている。最近、授業中にスマートフォンを使っているのが見つかり、没収された。没収されたスマートフォンは保護者が預かっているが、先生から、ルールを決めて本人に渡した方が良いと言われている。本人にルール決めさせているが、父親に却下されている。母親にのみ暴力もふるう。息子は、自由がほしいと言っている。ルールを作るのに何をしたら良いのか、息子に対してどう接すればいいのか。

アドバイス

ルールについては、このまま本人に決めさせるのが適切であり、さらに二重ルールにする。スマートフォンの利用に限らず、自由には責任が伴う。自由がほしければ、責任を持った行動が必要のはずである。まずは責任を持った行動として、生活態度の見直しが必要だろう。遅刻をせず学校へ行く、与えられた課題を期限どおりに提出する、先生や親との約束を守る。こうした行動をすることで、任せても大丈夫だと判断でき、自由も与えられるのではないだろうか。暴力については、110番、少年相談を勧める。警察は一般市民から見ると、怖くて敷居の高い存在かもしれないが、同じ過ちを繰り返してほしくない、正しく育ってほしいという強い思いで対応してくださるので、気軽に相談して良い。

ポイント

青少年のスマートフォンの所有は増え続けており、低年齢化、長時間利用の傾向も進んでいる。スマートフォンやインターネットを新たに利用する際には、長時間利用がもたらす日常生活への悪影響も親子で理解し、事前にルールを話し合うことが大事だろう。親子の信頼関係を損なわないためにも、ルール作りは必須である。すでに長時間利用が常態化してルールが守れない状態では、利用を止められることへの抵抗から、暴力に繋がるケースも少なくない。親子だけで解決しようとせずに、警察など公的機関の支援を受けることも有効だろう。

相談内容(2015年10月・青少年女子)

ネット依存気味である。勉強をしなくてはいけないと思いつつ、お風呂にもスマートフォンを持って行ってしまう。インターネットは、SNSの利用だけであり、アカウントを複数持っている。趣味、仲の良い友達との非公開のコミュニケーション、愚痴などで使い分けている。フォロー、フォロワーがたくさんいる。インターネットのことについて、親からは特別何も言われていないが、親の機嫌が悪い時、使いすぎだと言われる程度。成績も悪くない。

アドバイス

SNSのフォローが多ければ多いほど、タイムラインに流れてくる情報量は多くなり、自分に必要ではないものも混じっているだろう。フォローの人数を減らしたり、必要のないことは投稿しないなどで整理すると良い。インターネットは公共の場所であり、書き込んだ瞬間に自分の手を離れる。愚痴は電話や直接会ったときに話せば良く、いずれは無くしてほしい。自分に必要なもの、何を優先すべきかを良く考えて、行動に移してほしい。

ポイント

スマートフォンやインターネットの利用時間が長くなると、睡眠時間や勉強時間の減少などにつながり、体調不良や学力低下につながりやすい。自分がネット依存・スマホ依存かも知れないと感じたら、自分の1日のスケジュールをすべて記録してみると良い。インターネットやスマートフォンを利用している時間がどれぐらいかを正確に捉えることが改善への第一歩である。

相談内容(2014年11月・保護者・青少年女子)

子供に専用のPCを買い与えた。最初に「長い時間やらないように」と約束したが、最近は勉強している合間にダラダラとPCを使い、勉強との切り替えができていない。学校の授業の宿題で調べ物をしたり、音楽を聴いたりして使っている。就寝時間は決めており守られている。

アドバイス

最初にすべきこととして、子供の生活リズムを把握することが大事だろう。こたエールのホームページに公開している「睡眠&生活チェックシート」を使って、一定期間を決めて記録すると良い。子供本人も自分の時間の使い方が見えてくる。「何時間勉強して何分休み」というルールを親子で話し合って決められるだろう。ルールが決まったら紙に書いて張り出すことで意識させると同時に、守れなかった場合の罰則も親子で話し合って決めると良い。一度ルールが決まったら、それが守られているかをチェックする必要がある。揺るぎない姿勢を見せることも子供にとって大事である。

ポイント

子供と話し合って決めたPCやインターネットの利用ルールは、作って終わりではなく、子供がルールを守れているか、常に親自身も関心を持って見守り、チェックし、支援する必要があるだろう。親の目を子供が意識すれば、自分が約束を守らなければと感じ、ルールが守りにくければ不満をぶつけてくるだろう。親への不満は、子供と話す絶好のチャンスだと捉えたい。この会話のキャッチボールが親子の関係性をより良い方向へ導く方法であり、どんな発言であっても「まず聴く」姿勢が親に求められていることを忘れてはならない。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。