相談事例

依存

相談内容(2018年10月・保護者・青少年男子)

息子にスマートフォンを持たせており、当初は部活の連絡手段として使っていたが、だんだんスマートフォンを手放さなくなった。主にSNS、動画、ゲーム、音楽で、勉強には使っていない。注意をすると反抗的になり暴言が酷い。目つきも変わってくるので依存症を心配している。家庭のルールを決めていたが、まったく守れていない。このままではいけないと思っているが、ルール決めをすることも拒否する。スマートフォンに勝手にパスワードをかけてしまい、親がチェックすることができない。

アドバイス

スマートフォンは子供が自由に使えるオモチャではなく、元々は部活や家族の連絡手段として保護者が貸し出していることを忘れないでほしい。家庭のルールを決めたら、守れなかったときのルールも明確に定めて実行することを勧める。ルールをあいまいにするのではなく厳密に運用し、他の家族にも協力してもらうのが良いだろう。

ポイント

連絡用、防犯用に使い始めたスマートフォンが、いつの間にか子供の遊び道具となり、手放せなくなっているという相談が増え、その年齢は低下している。ルールを決めていても、保護者が子供の1日を完全に見守り続けるのは難しく、本人の自覚がないまま短期間に状況が深刻化していることもある。しかし、だからこそ親子の信頼関係を築いていくことが大事である。日常のコミュニケーションを絶やさず、ルールを守らせること、守ることの大切さを家族全員で共有してほしい。

相談内容(2018年9月・保護者・青少年男子)

スマートフォンを手放せない。家に帰るとすぐスマートフォンを持ち、勉強などはすべて後回し。通話をしながらオンラインゲームをしているか、通話相手がいない時はゲーム攻略の動画、漫画を見ている。話しかけると暴言が酷い。学校に行っている時、入浴時、食事中以外は、常に手元にスマートフォンがある状態。スマホ依存だと気づかせようとしても親の言うことはまったく聞かない。

アドバイス

保護者としてできることの1つとして、スマートフォンの利用ルール、約束事についてあらためて家族で話し合いをしてほしい。スマートフォンを何のために持っているのか、家族全員で会話をすることが大事である。インターネットはとても楽しく、インターネットを通して学べることもたくさんあるのかもしれない。しかし、1日は24時間と限られている。貴重な時間をどのように使っているのか、客観的に振り返り、見直しを図ってほしい。2つ目として、機械的な制限をかけることと、フィルタリングの見直しをしてほしい。きちんとフィルタリングが機能しているかを今一度確認をしてみてほしい。時間制限の機能も有効である。

ポイント

スマートフォンは子供にとっても日常生活に欠かせない道具になりつつあり、手元にあればゲーム、動画、情報収集、友達との会話に夢中になってしまうのも自然なことかもしれない。しかし、契約者が保護者である以上、子供が自由に使えるおもちゃではないはずである。生活の中で一番優先すべきことは何かを見極めながら、スマートフォンの利用ルールを決めていけると良い。保護者は、スマートフォンを持たせたときの本来の目的を見失わないことも大切である。

相談内容(2017年12月・保護者・青少年女子)

子供にスマートフォンを持たせている。今はSNSが楽しいようで頻繁にSNSのチェックをしている。勉強にネットで調べ物が発生することは理解しているが、気が付くと動画サイトを見ていたりして、使い過ぎが気になる。何かあったら保護者がスマートフォンの中身を見ることは伝えてあるが、SNSにはパスコードを設定しているので見ることができない。

アドバイス

家庭で決めたルールの見直しを勧める。ルールは使い方や年齢によって随時変えていくのが適切である。勉強時間にネットをしていることが気になるのであれば、一日24時間のスケジュールを決めて、その中でネットに費やす時間を決めるのが良いだろう。アプリごとに時間設定をすることも可能である。スマートフォンの中身を見ることについては、本人の承諾を得てほしい。これは内緒で見たものに問題があった時に、注意ができなくなってしまうのを防ぐために大事なことである。親子で一緒にルールを作ってほしい。

ポイント

スマートフォンやインターネットは将来に渡って不可欠であり、勉強、仕事、生活に密着していく道具である。その利用ルールを考えることは、自分自身の大切な時間をどのように使うのかを考えることにもつながる。親子で十分に話し合い、一緒にルールを作ることが望ましい。スマートフォンの使い過ぎやネット依存を防ぐために、利用時間を制限できる機能やアプリもあるので、保護者は賢く活用し、子供が自己管理しやすい環境を整えることも有効だろう。

相談内容(2017年9月・保護者・青少年女子)

新入学時からスマートフォンを持たせている。当初は、パスワードを共有していたので、中身を見ることができたが、変更してしまい見られなくなっている。ルールでは夜の利用時間を過ぎたら居間に置くことになっているが、夜中に居間から持ち出して利用しているようだ。子供のSNSの投稿を見ると深夜に利用している。どうすれば良いのか。

アドバイス

ルールを見直して、守らせることが重要である。当初のルールを守れていない点を考えれば、スマートフォンの置き場所を変えるなど工夫も必要かもしれない。ルールは二重にしておき、守れなかった場合のルールを決めておくことを勧める。ルールを作る上では、「どんな時に、何のために使うのか」を親子で考えてほしい。学校には校則というルールがある、スポーツにもルールはある。これは皆が安全に安心して利用するために必要なもので、利用を制限しようというものではないことを理解してもらうことが必要だろう。

ポイント

スマートフォンを子供に持たせている家庭では、使い過ぎが大きな不安材料だろう。スマートフォンやモバイル端末があれば、音楽、ゲーム、勉強、友達とのコミュニケーションなど、日常生活のほとんどが1台で完結する。便利な反面、健康への影響は無視できない問題になっている。将来に渡って使い続ける道具であるからこそ、節度ある付き合い方を身につけていくことが大事である。そのためには、利用ルールについて、親子で納得の行くまで話し合ってほしい。よく話し合い、スマートフォンやインターネットと安全に付き合える環境を親子で築いていけることが望ましい。

相談内容(2017年5月・保護者・青少年男子)

動画サイトに夢中になっている。携帯電話会社のオプションで時間制限をしていたが、設定を操作し、隠れて使用していたようだ。その後、自分自身で時間を管理して行動できるように、約束をした上で時間制限を外した。学校から帰宅すると、トイレ、お風呂場、食事中も動画に夢中で自己中心的な生活になっている。以前、隠したりしたが、保護者の携帯電話を投げたり、逆に隠されたりして態度も口調も粗暴になっている。

アドバイス

現在、親子で約束しているルールを紙に書き出すことを勧める。そしてルールが守れなかった場合のルールは何だったかも書き出してみる。これは本人に書いてもらうと良い。どのルールを守っているのか、どのルールが守られていないのかが明確に分かるだろう。ルールが守られていないならば、どう直せば守れそうなのかを一緒に話し合ってほしい。ルールは一度決めたらそこで終わりではない。ルールを決めたら実施して、ルールが守られているのかを確認し、守られていなかったら改良して、再び実行する、この繰り返しが大事である。ルールの作りっぱなしになっていないかどうかを、この機会に確認してほしい。

ポイント

子供に人気の動画だが、夢中になり過ぎることで、生活ペースが乱れたり、時間を浪費してしまうといった悪影響もある。楽しい世界だからこそ、振り回されることなく、利用時間を上手にコントロールできることが大事である。利用ルールは、子供自身が時間管理を行えるようになるための第一歩であり、保護者はルールを守ることの大切さを伝える役割があると考えてほしい。依存の心配を感じたら、1日の時間の使い方を記録し、親子でチェックしてみると良いだろう。客観的に見ることで子供自身が使い過ぎに気付けることが望ましい。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。