相談事例

性的トラブル

相談内容(2019年8月・青少年男子)

SNSで知り合った人とダイレクトメッセージで性的な会話しをしていた。学生証を送ると、拡散されたくなければ裸の写真を送れと脅され送ってしまった。法律相談をしてそれが脅迫にあたると分かり、相手にそれを伝えたうえで、拡散しないことや、写真を削除することを約束してもらった。その後、相手からも身分証明書を送ってもらい、本当の性別や年齢も確認した。しかし拡散されていないか心配。

アドバイス

18歳未満の青少年の性的な画像は児童ポルノと呼ばれ、法律上禁止されているのが、所持、提供、製造、運搬、輸出入、陳列である。相手が所持していることは違法となる。相手が消したと話していることから、その言葉を信用することもできるかもしれないが、心配であれば警察にも相談をしてほしい。

ポイント

顔が見えない相手が身元を偽っている可能性があることが分かる事例である。一方でインターネットの世界は決して匿名ではなく、現実の世界と同様に法律も適用される。身近な友達には打ち明けられないようなことも気軽に話せるのはSNSの良いところだが、節度ある行動を心掛けることが大切である。

相談内容(2019年6月・保護者・青少年女子)

娘が色々な人と雑談ができる SNSグループで女の子と知り合い、個別でメッセージを交換していたが、脅されて性的な自画撮り画像を送ってしまった。その後、保護者が気付き、相手をブロックした。会話や画像は消してしまった。娘はほかにもSNSを利用しており、そこから個人を特定されてしまうのではないかと不安になっている。

アドバイス

18歳未満の青少年の性的な画像は児童ポルノと呼ばれ、性的な目的を持って所持することは法律で禁止されている。児童ポルノは自分で製造することも、相手に提供することも法律で禁止されている点をしっかり理解してほしい。拡散被害を食い止めるためにも、これまでの経緯を詳細に記録し、お住まいの地域を管轄する警察署に相談してほしい。インターネット上では過去の投稿や、利用している他のSNSの投稿を繋ぎ合わせることで個人を特定される場合もある。現在利用中のサービスとその使い方を再確認することを勧める。万が一、送ってしまった画像や個人情報がインターネット上に無断掲載されているのを見つけたら、削除依頼などの対応を考えていくことになる。

ポイント

ネット上では最初から相手の本当の年齢や性別、本当の姿を見極めることが難しく、SNSで知り合った人と連絡先を交換して、個別にやり取りをしているうちにトラブルに発展してしまう事例は非常に多い。相手の言動に不安があると感じたら、その時点で相手と距離を置くようにしてほしい。相手が誰であっても、どのような理由があっても、自画撮りを要求されたらきっぱりと断ることが大事である。

相談内容(2019年5月・保護者・青少年女子)

娘が動画アプリで知り合った人とメッセージのやり取りをしたようだ。写真を求められ、初めは加工した顔の写真を送ったが、そのうちに裸の写真を送った。怖くなって、動画アプリもメッセージアプリも退会をした。相手の連絡先、やり取りした内容などは消してしまったがどうしたら良いか。

アドバイス

送ってしまった写真や情報を取り戻すことは、ほぼ不可能だと考えてほしい。相手に渡した画像や情報がどのように使われるのかは相手次第であり、利用を止めることも難しい。自分の手を離れてしまった以上は、自分でコントロールできないことを理解してほしい。相手への対応については、このまま一切連絡を取らないことが1つの自衛策になるだろう。18歳未満の児童に性的な写真を不当に要求することは東京都の条例違反となる行為である。相手についてわかっている情報があれば、それを持って自宅を管轄する警察に相談することを勧める。

ポイント

インターネットで知り合う相手の本当の年齢、性別、性格を見極めることは大人でも非常に難しく、安易に知り合うことで想定外のトラブルに巻き込まれる危険性もある。写真や動画はデジタルコンテンツと呼ばれ送受信が容易であるために、この事例のような被害も起きやすい。インターネットの危険な側面を実際に体験してしまった不安は簡単には解消できないかもしれないが、今回の経験をきっかけにインターネットやスマートフォンと安全に付き合うためのルールについて家庭で話し合いができると良い。

相談内容(2019年4月・青少年男子)

SNSで知り合った相手に一方的に自分の性的な画像を送ってしまった。相手から止めてほしいと言われたので、その後は送っていない。その後もメッセージのやり取りをしていたが、怖くなり一方的にSNSアカウントを削除した。相手が画像を保持しているとは考えにくいが、その後、自分が送った画像が児童ポルノにあたり法律違反だと知り怖くなった。

アドバイス

相手に渡してしまった画像や情報を取り戻すことは、ほぼ不可能だと考えてほしい。画像や情報がどのように使われるのかは、相手次第であり、自分の手を離れてしまった以上は自分でコントロールできるものではない。これからは同じことを繰り返さないことが大事である。また、18歳未満の未成年者の性的な画像や映像を撮影して送信することは、児童ポルノ禁止法に違反する行為であることもしっかりと理解してほしい。今回の件を保護者に相談できると良いだろう。自宅を管轄する警察に相談することも可能である。

ポイント

未成年者の性的な画像は児童ポルノにあたり、自分から相手に提供することも法律違反となることを青少年は知っておいてほしい。インターネットの世界であっても、法律違反の行為は現実世界と同様に処罰の対象にもなる。相手に画像を悪用されたら被害者にもなってしまう。今回の経験をしっかりと振り返り、ルールとマナーを学ぶ機会にしてほしい。

相談内容(2019年3月・青少年女子)

トークアプリでのやり取りで、裸の写真をばら撒かれたくなかったら言うことを聞けと言われている。相手は以前に付き合っていた人で、写真は当時自分で撮影して渡した。誰にも相談できずにいる。

アドバイス

18歳未満の青少年の性的な写真は児童ポルノに該当し、青少年自身が相手に送信することは児童ポルノ禁止法に触れる行為である。さらに、元交際相手の性的な画像・動画をネット上に公開することも、リベンジポルノ禁止法という法律で禁止されている。これ以上怖い思いをしないために、そして画像拡散の心配を防ぐためにも警察へ相談してほしい。相手とのやり取りは大事な証拠として保存しておく。利用しているスマートフォンと、今までの経緯を記録した内容を持って、保護者と一緒にお住まいを管轄する警察署に相談することを勧める。

ポイント

他人に渡したプライベートな画像が一度インターネット上に流出してしまうと、完全に削除することは非常に難しい。たとえ実際に流出することはなかったとしても、将来にわたって不安を抱えることになるかもしれない。どんなに親しい関係だったとしても、他人に自画撮り画像を渡すことは絶対に避けてほしい。一方で児童ポルノ禁止法は被害を受けた児童を保護するための法律である。被害を受けていることを迷わずに大人に相談して助けを求めてほしい。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。