相談事例

性的トラブル

相談内容(2019年2月・保護者・青少年女子)

娘が同級生から紹介されて、通話アプリで男性とやり取りを始めたようだ。そして相手から頼まれて自分の裸の写真を男性に送信していた。保護者がたまたま娘のスマートフォンを見ていて気付いた。どう対応したら良いのだろうか。娘のスマートフォンは現在は保護者が預かっており、電源を切った状態である。

アドバイス

18歳未満の青少年の性的な写真は児童ポルノに該当し、青少年自身が相手に送信することは児童ポルノ禁止法に触れる行為である。このことを娘さんに理解してもらってほしい。相手に送った写真がもし端末に残っていれば証拠として残しておくことを勧める。相手に対して、写真の削除を求めるかどうか、家族でしっかりと相談して決めてほしい。ただし、相手が娘さんの写真を消したと伝えてきたとしても、それが本当かどうかを確認することは難しい。今までの経緯を紙に書き出しておき、証拠となる写真があれば保存をして、お住まいを管轄する警察署に相談することを勧める。

ポイント

一度送信してしまった写真や個人情報は、後から取り戻したいと思ったとしても非常に難しく、相手が誰であろうと、写真の拡散や悪用など、さらなるトラブルへと発展するリスクも生まれてしまう。大切な情報は決して手放さないことが何よりも大事である。チャットやトークは青少年の日常のコミュニケーション手段となっており、手元の画面だけを見ていると、大事な写真や個人情報でさえも気軽に送信してしまいがちだが、世界中に繋がっているインターネットを通じた情報のやり取りであることを親子で理解し、自分自身を守るためのルールについて話し合ってほしい。

相談内容(2019年1月・青少年女子)

ネットで知り合った人に一度だけ胸の写真を送ってしまい、それから裸の写真を送らないと胸の写真をネットに拡散すると脅された。裸の写真を送ってしまったが、ネットに拡散されるのがとても怖い。

アドバイス

相手に送った写真がどのように使われるのかを自分でコントロールすることができない。今後は個人情報は自分自身でしっかり守ってほしい。もう1つ大事なこととして、18歳未満の性的な画像や映像を撮影して送信するのは、児童ポルノ禁止法に違反する行為だと考えてほしい。しかし相手から脅されて画像を送ったのであれば、相手の行為が児童ポルノ禁止法と刑法にも触れる行為だと考えられる。児童ポルノを所持していることも取り締まりの対象になる。相手に関する情報を紙に書き出し、これまでのやり取りも証拠として保存し、最寄の警察に相談してほしい。

ポイント

インターネットで出会った相手が脅してくるとは想像もしていなかっただろう。インターネット上では相手の本当の年齢や性別、本性を見抜くことは難しく、相手の目的を知ったときには要求を断れない状況に陥っているケースも少なくない。インターネットを通じてたくさんの人と知り合うことは良い経験でもある反面、学校の友達や身近な知人とは違い、危険も伴うことを青少年は特に意識して行動してほしい。困ったことが起きたら、ひとりで抱え込まずに保護者に相談をして助けを求めてほしい。

相談内容(2018年12月・保護者・青少年男子)

子供がSNSで知り合った相手に個人情報や性的な画像を送ってしまったらしい。警察から捜査の過程で発覚したという連絡があり、子供と共に警察でお話を聞いた。子供は反省しているが落ち込んでいる様子である。児童ポルノの話しが出たが、きちんと理解できなかったので教えてほしい。相手に送った写真がネットのどこかに出回っていないか心配。保護者として今後の対策はどうしたら良いか。

アドバイス

児童ポルノの法律についてはしっかり覚えておいてほしい。特に、児童ポルノは子供が自画撮りをして相手に提供することも法律違反である。裸の写真がどこかに出回ってしまわないか不安だと思うが、万が一ネット上のどこかで見つかるようなことがあれば、サイト運営者に削除依頼をすることになる。これからもインターネットは使い続けると思うので、端末にフィルタリングを利用したり、家庭のルールを作り、ネット上の知らない人とは連絡先を交換しないなどを約束事として決めることを勧める。

ポイント

ネット上の顔が見えない相手に性的な写真を送ってしまったことについては、反省が必要であることを親子で十分に理解してほしい。ネット上で知り合った相手が個人情報や性的な画像を要求してきたら、その時点で相手から離れることが、トラブルを大きくしない対処法である。相手への対応に困ったら一人で考えるのではなく、知識と経験のある保護者に相談して解決することも約束事として決めておくと良い。

相談内容(2018年11月・青少年女子)

SNSで知り合った人からお金をくれると言われたので裸の写真を送ってしまった。さらに要求され、断れば裸の写真を拡散すると脅されている。顔も写っているので友達に知られるのではないかと不安で仕方ない。

アドバイス

18歳未満の児童がお金を得る目的で裸の写真を提供することは法律違反にあたる可能性があるが、相手もまた児童ポルノ禁止法及び刑法に抵触の可能性が高い。さらに東京都の条例では、18歳未満に裸の写真を不当に要求することも禁止されている。以上の点から考えて、最寄の警察になるべく早く相談してほしい。相手とのやり取り、相手のことで知っている情報を証拠として持参することで、より正確に警察の方でも事態を把握できるだろう。

ポイント

この事例のように、青少年自身が性的な自画撮り写真を提供する行為も法律違反となる可能性がある。同じ失敗を繰り返さないように法律を正しく理解し、十分に反省することも必要だが、最優先に考えてほしいことは、提供した写真が拡散されてしまうのを防ぐことである。自分自身を責めたり、後悔の気持ちを抱えてしまいがちだが、周囲の大人の協力を得て対策をしっかりと行い、少しでも安心できる状態を取り戻すことを考えてほしい。

相談内容(2018年10月・青少年男子)

皆には内緒という条件で先輩と性的な動画を送り合っていた。しかし、その写真が拡散され、友達に動画を見られていた。先輩は拡散していないと言っている。

アドバイス

18歳未満の児童の裸の写真や動画のことを児童ポルノという。児童ポルノを性的な目的を持って所持することは禁止されているため、自分が持っている先輩の動画、自分自身の動画は削除した方が良い。友達も動画を持っているならば、法律のことを理解してもらい、削除してもらうのが良い。その他にも所持している人がいたならば、その都度削除のお願いをするべきだろう。1人で対処が難しいと感じるならば、学校の先生、スクールカウンセラーの先生、保護者等、まわりの大人にも相談してほしい。

ポイント

児童ポルノにあたる動画や画像のトラブルが後を絶たないが、トラブルの相手はインターネットを通じて知り合った人ばかりではなく、身近な人との間でも起きている。友達同士や交際相手であっても、裸の動画・画像を交換することは法律違反につながる問題である。相手だけに送ったつもりでも、動画や画像は簡単にコピーし転送することができ、一瞬のうちに拡散してしまう可能性もある。写真や動画も個人情報であり、自分自身でしっかりと守ってほしい。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。