相談事例

架空請求

相談内容(2015年3月・青少年男子)

有料アダルトサイトの動画の画面をクリックしただけで登録完了という文字が出てきた。焦ってしまい、サイトに電話をすると、名前、生年月日、住所を書いて送信するように言われ、メールを送信してしまった。

アドバイス

有料会員登録が完了するまでに、料金や利用条件などの説明、有料契約への同意の意思を再確認する画面、有料だと分かった時点で登録をキャンセルできる措置がない場合、電子消費者契約法では、錯誤による無効の主張などが可能であるとされている。料金を支払ったり、退会をする必要はない。無視を続けると良い。しかし相手に連絡をしたことで電話番号、メールアドレス、住所と名前が伝わっているため、今後は、迷惑メール設定、電話の着信拒否などで対応する。不審な郵便物が届いたとしても、家族に相談して落ち着いて対処する。

ポイント

有料契約に自分の意思で同意をしたのでない限り、契約が成立したとは言えず、支払いに応じる必要はない。通常、ページを閲覧しただけで個人情報が通知されることはないため、無視することが一番良い対応である。しかし、焦って電話やメールで連絡をしたり、名前や住所を伝えるなど、自分から連絡先を通知してしまうケースが多い。その連絡先に高額な支払いを要求するのが架空請求の手口である。学年の終業式や卒業式を迎え、初めてスマートフォンを手にする子供も増える時期だろう。スマートフォンやインターネットを使い始める段階で、安心安全に利用するための正しい知識を身につけてほしい。

相談内容(2015年2月・青少年男子)

親のスマートフォンを借りてネット検索をしていて、検索結果に出てきたタイトルをクリックすると、アダルトサイトだったようで、いきなり登録されてしまった。間違えに気がついたが、OKボタンしか押せない画面になり押してしまった。サイトに連絡はしていないが、料金を支払わないといけないのか。

アドバイス

有料契約に同意をしていないならば、契約は成立しない。検索結果に出てきたタイトルをクリックしただけで会員登録されたのだとすると、意思に反して勝手に会員登録されたことになるので、契約は無効であり、料金は支払わなくて良い。一切無視することを勧める。電話やメールなどで相手に連絡をしてはいけない。

ポイント

架空請求の相談では、アダルトサイトで意図せず有料登録へと進んでしまい、間違えに気づいてキャンセルしようとしても、OKボタンしか押せずに登録されてしまうケースが最近増えている。しかし、自分の意思で契約に同意をしたのでない限り、契約が成立したとは言えない。この場合は退会手続きをする必要もないので、慌ててメールや電話で連絡をしないことが大事である。連絡をすることで電話番号やメールアドレスが相手に知られ、トラブルに発展してしまうことを青少年はしっかり覚えておいてほしい。また、保護者所有のスマートフォンであっても、青少年が利用するのであれば、フィルタリングを利用するべきだろう。

相談内容(2015年1月・青少年女子)

興味本位でアダルト動画を再生してしまった。再生画面を二度クリックすると、突然会員登録された。すぐに「誤作動による登録の方」をクリックし、退会メールを送った。しかし返信が来ないため電話をかけ、未成年であることを伝えると、保護者から連絡するように言われ切られた。怖くなり着信拒否と迷惑メール対策をした。ネットの情報を見ると無視して良いと書いてあるが本当にそれで良いのだろうか。

アドバイス

会員登録までにどのような操作をしたか、思い出してほしい。利用規約や料金に同意をしていない、気がついた時には勝手に登録が完了したのであれば、電子消費者契約法に沿って考えると、錯誤(さくご)を主張できる。つまり契約は成立していないと考えられ、お金を請求されたとしても払う必要はない。無視することが大事である。退会メールを送り、電話をかけたことで、メールアドレスと電話番号が伝わっているが、電話番号の着信拒否、迷惑メールの設定を行ったことは正しい対応である。

ポイント

アダルトサイトでのこのような意思に反した会員登録では、契約が成立していない可能性が高く、「誤作動での登録」や「退会」の表示は、業者への連絡を促す手口であるケースも多い。誘いに乗って相手に連絡をすることで、メールアドレスや電話番号が知られてしまい、メールや電話によって支払いを催促される結果につながりかねない。焦らないことが大事である。このようなトラブルに遭わないために、未成年者がアダルトサイトにアクセスすることは危険であり、興味本位の行動は避けるべきだろう。

相談内容(2014年12月・青少年女子)

アダルトサイトで18歳以上を間違えて押し登録されてしまった。すぐにメールで退会申請をしたところメールが届き、そのメールに自分の名前が表示されていた。メールアドレスは変えたのだが、自分の個人情報が漏れたのではないかと心配。自宅に請求書が来るのだろうか。

アドバイス

年齢の確認だけで申し込み内容を確認する画面がなかった、あるいは確認画面があったとしても訂正ができる措置がなかったのであれば、電子消費者契約法と、特定商取引に関する法律にそって解釈すると契約は成立していないと言えるだろう。契約が成立していないと考えられるならば、お金を払う必要はなく、退会をする必要もない。相手にメールを送信する、電話をかける行為は、自分の連絡先を、相手に自ら伝える行為であり、料金請求などに繋がる可能性がある。今後は、連絡をしないこと。相手からのメールに自分の名前が表示されていたことについては、メールの差出人欄に自分の名前が表示されるような設定にしていないかを確認すると良い。

ポイント

ウェブサイト上で不当にお金を請求されたとしても、一般に、サイトにアクセスしただけでは個人を特定することは難しいため過度に不安になる必要はない。しかし慌てて連絡をしてしまうことで、個人情報を知らせることに繋がる。名前を名乗っていないと思っても、この相談事例のように、何らかの形で自分から情報を知らせてしまっていることもある。自分がどんな操作によってどんな個人情報が相手に伝わったのか、冷静に考えて対処する必要があるだろう。

相談内容(2014年11月・青少年男子)

検索をしていて、間違えてアダルトサイトを開いてしまった。いろいろボタンを押しているうちに、登録するつもりはなかったが、登録完了の表示が出て、「OK」ボタンしか押せない画面になってしまった。OKを押し、すぐに退会メールを送った。しかし、「登録完了」の画面から戻ることができず、対応に困る。請求書が自宅に届いたりしないか?

アドバイス

有料契約の規約に同意したつもりはなく、有料と気がついたときには戻ることができず「OK」ボタンしか押せなかったのであれば、契約は無効だと言える。請求に応じることなく無視することを勧める。退会のためにメールを出しているので、そのことによりメールアドレスが相手に伝わっているが、住所や名前までは調べることはできない。今後、請求のメールが届いても返信せず、メールの内容も無視してほしい。迷惑メール設定をすると良い。

ポイント

架空請求の手口の多くは、「登録完了」と書かれたページを表示しているだけであり、ページの閲覧だけならば、通常この段階で利用者の個人が特定されることはない。慌てずに対処することが大事である。有料契約の説明が事前に十分になされていたか、その契約内容に自分の意思で同意したのか、間違えて同意をしたとしても申し込みをキャンセルできる画面は用意されていたか、などを冷静に考えることができると良い。契約が成立していなければ、お金を払う必要も、退会の必要もない。不安になって退会のメールや電話で連絡をしてしまうことが心配事を大きくする結果につながることを覚えておいてほしい。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。