相談事例

架空請求

相談内容(2018年10月・青少年女子)

間違えてアダルトサイトのボタンを押してしまい、時間内に数十万円をお支払いくださいと画面に表示された。怖くなってそのサイトを消してしまった。架空請求についてネットで調べたら、無視しろとばかり書いてあるが怖い。

アドバイス

電子消費者契約法や特定商取引に関する法律では、意に反して契約の申し込みをさせようとする行為は禁止されている。このため、自分が有料契約に同意をしていないのであれば、契約が成立したとは言えず、お金を請求されたとしても支払う必要はない。このまま無視をしているのが最善の策である。相手に電話をかけたりメールを送信したりすると、自ら個人情報を伝えてしまうことになる。電話をかけているのであれば、今後は非通知や知らない番号からの電話には十分に注意をし、着信拒否などで対応すると良い。メールを送っている場合には、必要のないメールが届いたら受信拒否などの対処をしてほしい。

ポイント

いきなりお金を請求されたとしても、法律に沿って考えて有料契約が成立していないなら、架空請求だと考えて無視に徹することが基本的な対応である。法律知識や社会経験の少ない青少年は、本当に無視していて問題ないのかと疑問に感じるかもしれないが、不安に駆られて相手に連絡をする行為こそが心配事を増やしてしまう危険な行動だと理解してほしい。一人で悩んで間違った判断をしないように、保護者や身近な大人に相談して判断してもらうことが大事である。

相談内容(2018年9月・保護者・青少年女子)

娘がスマートフォンで歌のサイトを見ていたそうだが、広告ボタンを間違って押したとたんにアダルトサイトにつながり登録完了画面が開いた。その下に大きく退会申請のボタンがあり、動揺して押してしまった。その下には「よくお読みください」という文章とか、お客様ID番号などが表示されている。その後メールが届き、メールだけでは退会手続きができないため、電話連絡をしてID番号を知らせてほしいという内容だった。

アドバイス

広告ボタンを押す前に、利用規約や料金の説明がはっきりと示されていたかどうか、同意の意思表示をしたのかを確認することを勧める。同意をしていないのであれば登録は無効であり、退会申請をする必要もないだろう。ただし、すでに退会申請ボタンを押し、メールが送信されて相手からも返信が届いていることから、メールアドレスが伝わっている。今後、お金を請求するようなメールが届くかもしれないが、迷惑メールとして無視することを勧める。

ポイント

誤って広告からアダルトサイトにつながり、登録完了画面が表示される架空請求のパターンは依然として多い。突然の出来事に戸惑っているところに、退会申請のボタンがあれば、大人であっても慌てて押したり、業者に連絡をしてしまうだろう。しかし、連絡をさせることが相手の狙いであることに注意してほしい。連絡をしてしまうと、巧みな言葉で個人情報を聞き出され、お金の支払いを要求されるかもしれない。この事例のように、アダルトサイトとは無関係のように見えるサイトからアダルトサイトへ誘導されることもある。スマートフォンの操作に慣れてきた年齢であっても、画面の表示をよく見て慎重な操作を心掛けてほしい。

相談内容(2018年8月・青少年男子)

スマホで動画を見ていたらアダルトサイトが開き、間違えて18歳以上を押してしまった。12時間以内に料金を払ってくださいと表示された。誤って登録してしまった場合の電話番号に電話をかけて取り消してもらった。しかし、色々なサイトを見ると、このアダルトサイトは詐欺だと書かれていた。どうすれば良いのか。

アドバイス

アクセスした画面に、どのようなことが書かれており、どのような画面でどのような操作をしたのかをよく思い出してほしい。利用規約や有料契約に同意をしていないのであれば契約は成立していないと考えられるので、お金を払う必要も解約をする必要もない。相手に電話をかけたことにより電話番号が伝わっている可能性がある。今後、お金を要求するような連絡があっても、契約が成立していないと考えられるならばこのまま無視をしているのが一番良い。非通知や知らない番号からの電話には十分に注意をし、着信拒否等で対応すると良い。

ポイント

この事例で大事なポイントは、詐欺サイトかどうかに関わらず、自分自身が有料契約に同意をしていないならば契約は無効だと考えて、きっぱりと無視をするのが良いという点である。年齢確認の画面で18歳以上を選んだとしても、それだけでは有料契約に同意したことにはならない。同意をしたと利用者を錯覚させ、支払い期限を設けて焦らせ、解約のために電話をするように仕向けるのは、従来からよく見られる不正請求の手口である。インターネットを使い始めて間もない青少年には、特に知っておいてほしい代表的なトラブル事例である。

相談内容(2018年7月・保護者・青少年男子)

子供が家族共有のタブレットで動画を閲覧していたところ、アダルトサイトの広告が表示されていて間違えてタッチしてしまった。すると、アダルトサイトの会員登録完了の画面に切り替わった。その画面には料金が表示されており、誤作動で登録されてしまった人は12時間以内に電話・メールをするようにと書かれていた。子供は電話もメールも怖くてできず保護者に相談してきた。

アドバイス

会員登録完了の画面が現れるまでに、年齢確認、有料であることの説明、サービス利用規約、利用者に同意を求める画面などが表示されなかったとしたら、電子消費者契約法、電子商取引に関する法律に沿って運営されているとは言えない。契約は無効なのでお金を支払う必要も、退会をする必要もないだろう。退会手続きをさせて、電話番号、メールアドレスなどを収集しようとしているのかもしれないので、電話もメールもしなかったのは適切な対応である。

ポイント

アダルトサイトでの架空請求トラブルでは、アダルトサイトにアクセスしてしまったことを恥ずかしく思い、保護者に言えない子供が多い中、この事例では子供がすぐに保護者に相談できたことで、本格的なトラブルに発展するのを防ぐことができた。アダルトサイトの多くは、フィルタリングを利用していればアクセスを防ぐことができる。家族共有のタブレットであってもフィルタリング環境を整え、子供以外の家族がタブレットを利用する際にはその都度フィルタリングを無効化するなど、工夫をしながら安全に利用してほしい。

相談内容(2018年6月・青少年女子)

興味本位でアダルトサイトを見ようと思い再生ボタンを押したら、急に会員登録完了のページが出てきた。そのページに登録情報の削除依頼のボタンがあるのだが、それを押して削除依頼をしたほうが良いのか。

アドバイス

電子消費者契約法や特定商取引に関する法律では、意に反して契約の申し込みをさせようとする行為は禁止されている。このため、自分が会員登録や有料契約に同意をしていないのであれば、登録・契約が成立したとは言えない。お金を請求されたとしても支払う必要はなく、登録情報の削除依頼をする必要もない。相手に電話をかけたり、メールを送信することで、相手に個人情報を伝えてしまうことになるため、相手に連絡をせずに堂々と無視をしてほしい。

ポイント

トラブルのきっかけは興味本位でアダルトサイトを見ようとしたことであり、反省してほしい点だが、会員登録完了の画面の後、慌てて削除依頼の連絡をするなどの行動をとらなかったのは適切な対応だったと言えるだろう。連絡をさせることが相手の狙いだったのかもしれず、より大きなトラブルに発展していたかもしれない。このようにインターネット上で心配な出来事に出会ったときには、自分一人で判断しないことが大事である。身近な大人や相談窓口に相談することは勇気のいることかもしれないが、心配事を大きくしないための一番良い行動だと考えてほしい。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。